「リテールメディア」は広告ビジネス第3の波!マーケティングDXがもたらす未来とは

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先日、エブリーは「リテールメディア」実現に向け24億円の資金調達を実施いたしました。実際にどのようにリテールメディア構想を実現するのか、またマーケティング支援やアカウントエグゼクティブ(広告営業)のあり方がどう変化するのか。マーケティングソリューションズ事業部部長に聞きました!


渡邉 武尊

データソリューション本部 マーケティングソリューションズ事業部 部長 

2014年に新卒でインターネット広告代理店に入社。営業としてダイレクトマーケティングの提案、プランニングを担当。2017年9月エブリーに入社し、広告営業に従事。2021年1月よりマーケティングソリューションズ事業部部長に就任。




リテールメディアの可能性

ーなぜリテールメディアに取り組むのでしょうか?背景について教えてください。

渡邉:米国ではリテール領域のデータを活用した広告ビジネスがトレンドとなり、サーチメディア、ソーシャルメディアに続く第3の波として「リテールメディア」が急速に立ち上がっています。日本においても、コロナ禍による購買行動の変化やサードパーティクッキーの廃止など、広告やマーケティング、さらに販促のあり方が急速に変化しており、購買を起点にした「リテールメディア」の重要性が高まってきています。

ー「リテールメディア」は日本のメーカーからも注目されているのでしょうか?そしてそこにはどんなニーズがあるのでしょうか。

渡邉:国内でも「購買」に近いタッチポイントを起点としたデータ活用への期待が高まっていて、「リテールメディア」はホットワードとなっています。背景にはマーケティング活動における費用対効果の可視化、LTVの向上といった課題があります。

これまで店頭での購買行動データはスーパーなど流通が保有するもので、メーカーのマーケティングへ活用できている部分はごく一部でした。しかし、店頭にAIカメラ・ビーコンを設置し「リテールメディア」としてデータを収集し、『DELISH KITCHEN』の視聴行動データと突合していくことで、解像度を上げてマーケティング活動ができるようになります。データに基づいてPDCAを改善していくことで販促効果の向上が期待できるのはもちろん、TVCMのようなマスへの認知施策だけでなく、購買やLTV向上に繋げていくための1to1の施策を行うことが可能となります。

ー『DELISH KITCHEN』はこれまでオフラインのサイネージを活用した広告を170社以上のメーカーにご出稿いただいていますよね。

渡邉:はい。『DELISH KITCHEN』で配信したタイアップ動画を店頭サイネージ広告でも配信できる「ストアビジョン」は、「購買に最も近い広告」として現在多くのメーカーにご利用いただいています。設置台数は5,500台以上と、日本最大級の店頭サイネージ広告プラットフォームとして多くの実績を有しています。

 

複数の顧客接点で「リテールメディア」を構築し、1to1のフルファネルマーケティングを実現

ーそのような中、どのようにリテールメディアを実現させていくのでしょうか?

渡邉:まずは、店頭サイネージの拡大と小売アプリの開発・導入を推進していきます。店頭サイネージに加えて小売アプリが「リテールメディア」として確立してくると、次は『DELISH KITCHEN』アプリのファーストパーティーデータとリアル店舗・小売アプリのデータを統合したアドプラットフォームを構築し、1to1マーケティングを推進していきます。

ー店頭サイネージ、小売アプリ、またデータダッシュボードと複数のサービスがありますが、それぞれ具体的にはどんなことが可能になりますか?

渡邉:店頭サイネージは、導入拡大とともにAIカメラやビーコン連携を行い店内行動をデータ化し、実際の視聴者層や視聴維持率をもとに売上拡大に向けた改善提案を行います。これにより、店内行動データをもとにサイネージへ配信する動画の訴求内容を最適化することができるようになります。

小売アプリは、レシピ動画コンテンツの掲載やユーザー送客など『DELISH KITCHEN』のアセットを最大限活用しながら、ネットスーパーやウェブチラシチラシ、クーポン、ID連携などを基本機能として備えたオープンプラットフォームによるサービス提供を行います。例えば、店外にいるユーザーへ、店舗での購買履歴をもとに小売アプリ上で『DELISH KITCHEN』のレシピを提案し来店を促進したり、来店したユーザーへ視聴データをもとにクーポンやお得情報をポップアップ通知で配信してクロスセル・アップセルへ繋げることが可能になってきます。

また、アプリで得られる行動データ、小売業が持つ仕入れデータやPOSデータに『DELISH KITCHEN』のファーストパーティデータを融合するデータ閲覧ダッシュボードを構築。分断されていたデータを横断的に分析できるようにすることでデータに基づいた販促の効果検証を実現し、店舗運営の効率化や売上の最大化を支援します。

ーこのリテールメディアが実現すると、どんなことができるようになりますか?

渡邉 :ひと言で言うと、オンラインとオフラインを統合した1to1のフルファネルマーケティングが可能となります。これまでマーケティングに活用できていたのはオンラインのDELISH KITCHENアプリの視聴率・お気に入り数などの「認知」「理解・関心」ファネルの行動データでした。「リテールメディア」によってオフラインの店内行動・購買数などの数値も合わせて分析できるようになり、広告を視聴したユーザーに対して、店頭やECなどの購入シーンにおいてサイネージやクーポンなど1to1で購買を後押しできるようになります。
さらに、繰り返し購入してもらうため、購入後も実際にレシピを作った人に対してアレンジレシピを提案するなどファン化までしっかりとアプローチすることができるようになります。

 

真のマーケティング支援を行う、唯一無二のリテールメディア企業へ

ー「リテールメディア構想」に向けて、実際に進んでいる施策などはあるんでしょうか?

渡邉:まだまだこれからではありますが、現在、AIカメラによるクリエイティブの実証実験を複数店舗で実施しています。こちらは店頭サイネージで複数コンテンツを配信し、その2秒視聴率をTVCMを配信した時と比較したものになります。

今回は、動画の短尺化と複数レシピのバリエーションを提示したクリエイティブの視聴率が高い結果となりました。短い時間でもたくさんの情報を取得できることが重要なポイントになっていると推察できます。こうした店内行動データをもとに、サイネージへ配信する動画の訴求内容を最適化することで、メディアとしての価値をさらに向上していければと思っています。

※2022/9/29時点の資料です

ーこうして1つずつデータが集まり、改善されることで新たなメディアがつくられていくんですね。今後、アカウントエグゼクティブ(AE)の提案内容もどんどん変化していきそうですね。

渡邉:そうですね。取得できるデータの幅が広がることで、顧客課題に対して数値に基づいた詳細かつ最適なマーケティングプランを導けるようになると思います。つまり、顧客課題に合わせてチャネルごとの施策の内容やタイミング、期間、接触頻度などの詳細なロードマップを導き出し、それぞれに明確な根拠を持たせてご提案ができる状態です。また、施策後のレポーティングもこれまでとは全く異なるものになっていくだろうと思います。

さらに、フルファネルでデータに基づいてPDCAを改善することで、プロモーションとして認知施策にとどまるのではなく、継続的なファンづくりを支援していくことができます。メーカー(ブランド)×リテール×施策といった無数のパターンで独自データが蓄積されていくため、課題解決に向けたより精緻な提案が可能になっていきます!

ですが、そのためにはAEのデータ分析スキルが不可欠です。営業スキルだけでなく、データ人材としてSQLなどでデータを正しく解釈し活用していくスキルの習得を引き続き支援していきます。

ーありがとうございます。最後に、採用候補者へメッセージをお願いします!

渡邉:まずは足元で小売アプリの導入企業を増やし、リーチ規模の大きいメディアに育てていくことになりますが、エブリーは今後、リテールメディアの推進により『DELISH KITCHEN』独自の保有データが蓄積されていきます。そういったデータとユーザー数3,000万人以上のオンライン基盤、50,000本以上のプロ考案レシピを武器に、「食」の領域でNo.1のリテールメディア企業を目指していきます。

クライアントの課題に対して、「認知」にとどまらず「購買」、そして「ファン形成」まで継続的に施策をご提案することで、クライアントのマーケティングパートナーとして真のマーケティングソリューションが提供できるようになると確信しています。

エブリーのアカウントエグゼクティブ(AE)にご興味のある方は、ぜひ記事下のリンクからお気軽にお問い合わせください。


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