CTOである梶原が、開発本部メンバーにインタビューしていくこのシリーズ。エブリーのコアコンピタンスのひとつである「テクノロジー」を担うエンジニアメンバーに、今までのキャリアやエブリーでのやりがいなど詳しく聞いていきます。
インタビュアー
梶原 大輔
取締役 執行役員 CTO 開発本部長
2006年4月、ヤフー株式会社に入社。2007年2月、グリー株式会社に入社後、エンジニアとしてゲーム・インフラ・技術基盤の開発に従事、 2014年より同社執行役員に就任し、インフラストラクチャ本部長、開発本部長を歴任。2016年より複数の子会社の代表取締役・取締役として新規事業の立ち上げを行う。2017年同社退社後、10社以上の企業の社外取締役・技術顧問・出資支援を行いスタートアップ企業の成長支援に携わる。2018年5月、株式会社エブリーに入社し、同年6月取締役CTO就任。
今井 啓介
開発本部 DELISH KITCHEN開発部 副部長
2015年新卒でサイバーエージェントに入社。Androidエンジニア、Webエンジニアとして生配信サービスの立ち上げに携わる。2016年9月、株式会社エブリーにエンジニア第一号入社し、DELISH KITCHENのAndroidアプリ、Webサイトの立ち上げに従事。2020年、DELISH KITCHEN開発部の副部長就任。現在はDELISH KITCHENのサービス全体の開発に携わる。
プロダクトを作る楽しさに気がついた大学生時代
梶原:そもそも、エンジニアになろうと思った一番最初のきっかけは何だったんですか?
今井:最初のきっかけは、 IT系は就職がしやすいらしいという親からの勧めがあり、筑波大学の情報学群に入った事です。もともとエンジニアに興味があった訳ではなかったので、最初は授業に全くついていけず、 黒い画面恐怖症だったくらいです(笑)。
梶原:そうだったんですね(笑)。
今井:転機となったのは、大学在学中にあるアニメや関連ゲームを作る会社が学生を募集していて、そこに自分も声をかけられたんです。最初に作ったのは沖縄のアニメのイベントサイトでした。その時に初めて実際にプロダクトを作ってみて、これは面白いなと思い、より深く勉強をし始めました。
梶原:学部で勉強していたこと自体は、どんなことだったの?
今井:大学ではライフログの研究をしていました。ウェアラブルカメラという小型のカメラを胸につけて、目の前の光景を何秒かに一回、自動でシャッターを切り続けるんです。同時に心拍数をモニターして、心拍数の変化が大きい時は何か良い写真が撮れているのではないかと仮定し、思い出の記録方法の研究をしていました。
IT都市サンフランシスコへ
今井:大学4年になるとサンフランシスコに9ヶ月ほど留学をして、その間に色々な企業へ訪問に行きました。Twitter、facebook、Apple、Google、 Github、Dropbox、WordPress など、周辺の企業はほとんど回りましたね。
梶原:留学の目的は、何かあったんですか?
今井:遊びに行く感覚でした(笑)。交換留学ではなく語学留学だったので、勉強以外にも遊んだりする時間がたっぷりあったんです。
梶原:いいですね。何か面白いエピソードとかありました?
今井:留学していた時、バーで隣にいた人が「Leap Motion」と大きく書いてあるTシャツを着ていたんです。リープモーションというのは手の動きを検知してジェスチャーでパソコンを操作できるコントローラーで、少し流行った事があったんです。その人に「私、それ日本で買ったよ!」と声を掛けてみたら、めちゃくちゃ”中の人”だったということがありました。
他にもfacebook社とかTwitter社の方とか、皆さん自社の T シャツを着てバーにいるのですぐに分かるんです。声をかけたらだいたい仲良くなれましたね(笑)。こういう環境の中で、ウェブ系やソフトウェア系の企業への興味がより強くなっていったと思います。
ボスキャリで出会った会社でスタートアップに参画
梶原:今井くんは、ボスキャリ(ボストンキャリアフォーラム)で就職したんでしたっけ?
今井:はい。留学中に日本の企業が集まって開くボスキャリという留学生向けの就活イベントがあると聞いて、声をかけてもらって私も一緒に行くことになったんです。そのイベントにたまたま株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)が来ていたので受けたら入社する事が決まり、約2日で就活が終わりました。
梶原:すごい(笑)。サイバーエージェントに入ってからはどんなことに携わってたんですか?
今井:サイバーエージェントに入社してからは、動画系の生配信サービスを提供する子会社の立ち上げに参画していました。スタートアップ初期ということもあり、当時は社内で他にAndroid エンジニアがいなかったので、私がAndroidエンジニアとして3〜4ヶ月ほど開発をしました。その後ウェブの立ち上げや配信などに携わり、合わせて1年半ほど従事しました。
エブリーのエンジニア第一号として入社
梶原:その後エブリーに転職したきっかけは?
今井:転職に至った背景には、立ち上げた子会社で試行錯誤している中で、ある程度ビジネスの限界が見え始めていた状況がありました。社内で別の事業に移るか、または転職をするか進路を悩んでいた中で、エージェントから面白そうな会社があると聞いてエブリーを知ったのがきっかけでした。
2016年、私が入社した当時のエブリー にはまだアプリやWebのプロダクトが無く、「DELISH KITCHEN」ではSNSを中心にレシピ動画を配信していました。これからアプリを作ろうとしていた時期だったので、エンジニアメンバーはまだ0人でした。エブリーの面談に行くとオフィスがリビングだったので驚きましたが(笑)、社長の大成さんと話してビジョンに惹かれ入社を決めました。
↑2016年当時のオフィス。マンションの一室を借りてオフィスとしていました。このキッチンで、DELISH KITCHENの動画は撮影されていました。
梶原:ビジョンというのはどんな内容だったんですか?
今井:その時のビジョンというのは、大きく二つありました。一つは今では当たり前になりましたが、動画のコミュニケーションが主流になる時代が来るという事です。
もう一つは、アプリを作る事だけが最終目標ではなく、既にその先を見据えているという話をしていたと思います。当時はまだOMOやDXといった言葉ではなかったと思いますが、動画やデジタルが広く浸透した後の世界を思い描いていたところに惹かれました。あとは大成さんがエンジニア出身だったという事もあり、話が面白かったんです。
梶原:どの辺りが面白かったんですか?
今井:当時まだエンジニアがいなかったのに、アプリを作ってリリースする時期が決まっていると聞いて、この社長大丈夫かなというか、面白いなと思いましたね(笑)。
梶原:爆笑
今井:でも、絶対楽しいだろうなと思ったんです!
『DELISH KITCHEN』アプリリリース裏話
梶原:入社直後はエンジニアもほぼいなかったと思いますが、少人数の開発体制でのアプリリリースはどんな状態だったんですか?
今井:大変だったのは、アプリリリースが目前に迫っていた時、アプリの開発は間に合っていたんですが、肝心の動画の入稿が予定より遅れていて、当時300~400レシピあったものを短期間に全て形を整え直した上で入稿しなければならなかった事ですね。他にもページが当日の朝完成するというギリギリな状況でした。今では考えられないですが、リリース直前は会社に寝泊まりすることもあり、なんとか間に合い安堵したのを覚えています(笑)。
梶原:当時、開発面で何か意識して取り組んでいたことはありますか?
今井:開発面では、2016年当時の新しいAndroidの開発言語「Kotlin」を使用して開発に取り組んでいました。エブリーは時間が限られている中でも、先駆けてこうした新しい言語や技術を取り入れることには積極的で、今でも開発文化として残っていますね。
常に最新技術に触れながら業界を代表するアプリを目指す
梶原:今井くんは現在、DELISH KITCHEN開発部の副部長ですが、どんな役割を担っていますか?
今井:所属するグループでは『DELISH KITCHEN』のアプリをiOS、 Androidともに開発しています。チーム内はさらに大きく三つのグループに分かれていて、それぞれ広告商品開発、会員向けサービスの拡充、アプリの機能拡充などを担当しています。各グループで連携を取りながら開発を進めています。『DELISH KITCHEN』は事業スコープが広いので、マネージャー業務も幅広いですね。
梶原:クライアントグループ内でもユニットが別れていて、それぞれ担当している感じですよね。仕様決定の企画にも積極的に参加している感じですか?
今井:そうですね。プロダクトマネージャーとエンジニアメンバー双方の要求を取りまとめて、時にはヘルプをしたり、開発部の目標のひとつでもあるアジリティーを牽引できるよう、メンバーに気持ちよく開発してもらう環境を整えることを心がけています。
梶原:素晴らしい(笑)。
梶原:エブリーのエンジニアだからこそ体験できることはどんなことだと思います?
今井:主に2つあると思っています。1つ目は、『DELISH KITCHEN』という1,900万以上ダウンロードされている大規模なアプリの開発に携われるという点です。もちろんその分責任も感じますが、アクティブのユーザー数も多く、実際に生活の中で使っていただけているので、とてもやりがいを感じています。
2つ目は私が一番意識してるところなんですが、既にユーザーが多いからと言って新しい事に挑戦しないのではなく、バランスをとりながらうまく最新技術を取り入れていく事です。新しい技術に触れながら業界を代表するようなアプリを目指していく事は、エンジニアとしてとても面白いと思っています。
梶原:そういった新技術のキャッチアップって、どの時間でやってるんですか?
今井:DELISH KITCHENチームの場合は普通に業務時間でやってもらったり、各個人のOKRに目標として入れていたりします。例えば、今期はストアキットがiOSの新しい機能として発表されましたが、その辺りは関連するPUチームでテストを効率化できないかなど調査してもらっています。直近だとswiftUIなどは既に開発環境に取り入れていますね。
データと技術を活用して生活を豊かにしたい
梶原:今後エブリーでどんなことをやっていきたいですか?
今井:事業としては、エブリーのようにオンラインのデータからオフラインのデータまでを一次情報として蓄積できている企業は他にあまり無いと思うので、これらのデータを取得し、今後の事業に活かせるようにチャレンジしていきたいです。その結果、『DELISH KITCHEN』を通じて生活が豊かになる人が増えればいいなと思っています。
組織としては、みんながより楽しく仕事をしていけるチームにしたいです。調整ごとに追われたり息切れしたりせず、より良いアプリやサービスを作ることに集中できるようなチームにしていきたいですね。
梶原:そのためにこんな人と働きたい、とかはありますか?
今井:自分たちが作っているプロダクトを心から好きになれる人ですね。仕事としてだけではなくて、プロダクトとして『DELISH KITCHEN』やエブリーのサービスを好きになってくれる人だととても良いなあと思います。
梶原:模範解答(笑)。でも、実際そこは大事ですよね。言い方は雑かもですけど、あくまでも技術は手段の一つでしかない。改めていろんな背景が聞けてとても面白かったです。ありがとうございました。
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