『DELISH KITCHEN』Web MAU前年比160%達成の秘訣!プロダクトマネージャー・エンジニアに聞いたユーザー目線での改善の道のり

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2年前からアクセス数が伸び続けている上、今期さらなる成長を遂げ前年比160%を達成したDELISH KITCHEN Web User Growthグループ。取り組みの中でどんな壁を乗り越えてきたのか、成功の秘訣は何なのか。さらに今後の展開まで詳しく聞きました。


(写真右から)

堀田 敏史

DELISH KITCHENカンパニー サービスグロース部 部長

新卒でグリー株式会社に入社。エンジニアとしてソーシャルゲームの企画開発、新規事業領域で介護施設メディアの開発に従事。その後、起業、フリーランスを経て、2016年株式会社エブリー入社。2020年1月からDELISH KITCHENカンパニー ユーザグロース部副部長に就任し、2021年から現職を務める。

 

西村 匠

DELISH KITCHENカンパニー サービスグロース部 Web User Growthグループ マネージャー 

2015年、新卒で企業向けのWEBマーケティングコンサルを行う会社に入社。コンテンツマーケティングを目的としたWEBコンテンツの制作サービスの運営責任者を務める。2020年5月に株式会社エブリーに入社。DELISH KITCHENのプロダクトマネージャーとしてサービス改善を担当し、現在はマネージャーとして従事。

 

山﨑 大輔

開発本部 DELISH KITCHEN開発部 Backend2グループ Backendチーム リーダー

2014年に新卒としてグリー株式会社に入社。2017年7月からフリーランスとしてモバイルゲームアプリの開発に携わる。2018年2月、株式会社エブリーに入社し、DELISH KITCHENのWeb、バックエンド全般の開発に従事。




コアアップデート後、検索順位が大幅に上昇!

ーそれぞれ、普段はどのようなことに取り組んでいますか。

西村:DELISH KITCHENカンパニー サービスグロース部 Web User Growthグループ(以下、WUG)にてプロダクトマネージャーを務めています。より多くのユーザーに『DELISH KITCHEN』のレシピを届けるためUI/UX、コンテンツなどの観点から『DELISH KITCHEN』Webページ全体の改善を行っています。

山﨑:DELISH KITCHEN開発部 バックエンド・Webチームにてリーダーを兼任しています。Webチームではユーザーがより快適にWebページを見ることができるよう、ページパフォーマンスの改善のための基盤づくりを行っています。

堀田:DELISH KITCHENカンパニー サービスグロース部にて部長を務めています。

ーこれまでDELISH KITCHENで取り組んできたことについて教えてください

堀田:エブリーでは、「動画を通じてもっと楽しく、もっと充実した毎日に」というミッションを掲げています。その実現のために、「コンテンツ」「テクノロジー」「UX」を各サービスの強みとしていくことで、より多くの人に必要とされる生活必需品サービスになりたいと考えています。

特に『DELISH KITCHEN』では、レシピの考案から撮影まで全て、管理栄養士をはじめとする”食のプロ”たちがコンテンツを制作しています。専門性を持ったスタッフの手で作られた「プロコンテンツ」であるという点を、ユーザーにもサービスを通して伝えていくことで安心感や信頼性を高めていきたいと思い、レシピ考案者についての情報公開や、実際に作ったユーザーが感想を投稿することができるレビュー機能をリリースしてきました。

関連記事:作る人にも食べる人にも、料理の楽しさと喜びを届けたい。レシピ考案者の公開に秘められたDELISH KITCHENの思いとは


ー今期『DELISH KITCHEN』はWebページの検索順位が大幅に上昇しましたが、どのようなことが影響し順位が上昇したのでしょうか。

西村:2020年12月のGoogleのコアアップデートのタイミングで大幅に検索順位が上昇し、2021年2月時点ではコアアップデート前と比較してMAU*が160%増加しました。コアアップデートにより検索結果のアルゴリズムが大きく変化したことに加え、コロナ禍や緊急事態宣言の影響もあり、お家で料理をする際のレシピ需要が増えたことがMAUの増加に繋がりました。

アップデートの内容はGoogleから公式に公開されていないので詳細はわかりませんが、コンテンツの品質への評価の比重が高まったことが検索順位の上昇につながったと考えています。動画のフォーマットで構成された『DELISH KITCHEN』のレシピの見やすさや、全レシピ管理栄養士監修といった部分でのコンテンツ質が評価されたのかもしれません。2021年1月からは、検索ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作ることに集中してきました。

山﨑:ユーザーに対して価値のある情報を提供することに次いで大事なのが、Googleのクローラがページを巡回しやすくしたりデータを取得しやすくしたりするために裏側でも整理をしていくことです。SEO要素のうち、ページスピード、CoreWebVitals、効果的な内部リンクのためのロジック開発は技術要素も大きく関わっているため、開発チームでそれぞれ改善を行っていました。

*「Monthly Active Users」月あたりのアクティブユーザー数

コンテンツ・技術面の両面をユーザー目線でさらに改善

ーコアアップデート後も伸長を続け、今年7月の総会ではプロジェクト賞も受賞されていましたよね!さらに価値の高いコンテンツを作るためにどんなことを行っていますか。

西村:大きく2つあります。
1つ目は検索ニーズを網羅的に満たすことです。例えばハンバーグのレシピを調べている人がいたとしても、ハンバーグの種類ごとの作り方、焼き方のコツなど欲しい情報は検索している人によって様々です。複合ワード、競合サイト、上位サイトの内容を分析することによって検索ユーザーのニーズを把握し、その一つ一つの要素を新規・既存問わずレシピに反映させていきました。その結果、高い順位がつき、大きくユーザー流入を獲得することができました。

<作り方だけではなく、工程ごとのポイントも紹介することでより内容の充実したレシピを作成。>

▼牛すじ煮込み レシピページ

https://delishkitchen.tv/recipes/200946822988956799

西村:もう1つは、実際にレシピを制作しているメディア企画(以下、MP)の方々との連携体制づくりです。お互いに担当している専門分野が異なる中で、改めて自分達が目指す”ユーザーの役に立つ情報を届ける”という目的に対して認識の擦り合わせを行いました。その上で、それぞれの得意分野を生かし、WUGからはSEOなどのWebに関する情報を、MPからは食品やコンテンツに関する知識を交換することでお互いに歩み寄ることができるようになりました。その結果とてもスムーズに連携をとれるようになり、ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを着実に公開できるようになったと思います。

ーユーザーのニーズを満たせるよう1つずつ改善していくことが重要なんですね。技術面ではどのような改善をしているのでしょうか。

山﨑:今年に入って、Googleから高速かつ安定的に表示されるページを上位に位置付けるという発表があり、その対策を行っています。FCPとは最初にWebページがブラウザに表示されるまでの速度のことですが、1月までは約1.94秒で、現在は約1.39秒とおよそ0.5秒表示速度が速くなりました。下記グラフの緑色箇所は実際のユーザーへの表示速度が統計的に出ているもので、面積が多いほど良く、75%以上であればGoogleから良好なウェブサイトとして認められます。現在は緑の部分が75%以上になっていて、パフォーマンスがより良くなっていくにつれて今後順位もさらに上がっていくだろうと考えています。

<FCP推移>

(6月に緑の部分が大きく変化しているのは、Googleが良好とする秒数を変更したためです)

より幅広いニーズに対応したコンテンツづくりへ

ー160%増という数値を見て、振り返ってみるとどう感じますか?

西村:既に多くのユーザーを抱えていながらも、細部にこだわって質を上げていくことで数値が着実に積み上がり嬉しいです。今回はエブリーが持っている強みであるコンテンツの制作体制や技術力を活かして、ユーザーに対してより良い価値提供ができた1つの実績になったかなと思っています。

ーPdMとして、エブリーならではのやりがいはどんなところだと思いますか。

西村:裁量を持ってWebグロースに携われることと、スピード感を持って成長を実感できる、この2点ですね。
全体で5200万人以上という多くのユーザーを抱える『DELISH KITCHEN』ですが、そのWebグロース領域をPdMとして大きな裁量を持って担当させてもらっています。その分責任もありますが、非常にやりがいを感じています。
もう1つは、今までの成功や失敗を振り返りながら、メディアとともに短期間でも成長を実感できる点ですね。市場的にもまだまだ伸びしろがありますので、今後もユーザーのニーズに応えられるようWebサービスを改善し続けていきたいと思います。

ーエブリーでエンジニアとして働くやりがいはどんなところにありますか。

山﨑:開発面ではインフラからフロントエンドまでどの領域でもチャレンジできますし、企画面でもPdMと相談しながら自分で提案して実装することもできます。
それをユーザーの反応や数値の変化を見ながら日々スピード感を持って取り組めることは非常にやりがいを感じます。

ー最後に、部長の堀田さんから現状の課題と今後のビジョンについて教えてください。

堀田:以前と比べて、1コンテンツあたりのユーザー流入数は大きく改善されましたが、まだまだ改善の余地はあると思っています。検索ニーズに応えることを大前提に、コンテンツの制作に注力して情報の質を改善してきましたが、今後はさらに機能面のUI・UX改善も行い、ユーザーにとってより価値の高いサービスにしていきたいと思っています。

ー最終的にどんなユーザー体験を提供していきたいですか。

堀田:『DELISH KITCHEN』のWebサイトでは、レシピを探しているユーザーのニーズに一つ一つ対応することで、料理に関する幅広い課題に応えていけることを目指しています。今後は食材を使ったレシピの情報だけでなく、栄養素、見極め方、保存方法など今までカバーしきれていなかった幅広いニーズにも対応したコンテンツづくりに取り組み、サイトの改善を加速していきます。コンテンツの質が高い点は『DELISH KITCHEN』の強みなので今後もさらに伸ばしながら生かしていければと思っています。

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