『DELISH KITCHEN』データストラテジストとPMMが語る、データをビジネスへ生かす仕組み作り

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サービスに蓄積されるデータをビジネスに活用するべく、普段から営業や広告企画などのビジネスサイドと深く関わるエブリーのデータストラテジスト職。実際にどのような連携をしているのか、マーケティングソリューションズ事業部にてファーストパーティデータを活用した新サービス開発を担当するメンバーと共にインタビューしていきます。


(写真右から)

近藤 浩市郎

開発本部 システム開発部 データ&AIグループ リーダー

大学は農学部で経済学を専攻し、食の需要分析の研究を行う。新卒で大手通信会社に入社し中小企業・SOHO向け営業に従事。その後大学院に進学し社会学を専攻する。2018年12月株式会社エブリーに入社。「DELISH KITCHEN」のバックエンド開発を担当したのちデータ&AIグループに異動し、現在はデータストラテジストとして自社データを活用する業務に従事。

 

日埜 嘉久

DELISH KITCHENカンパニー  マーケティングソリューションズ事業部 事業戦略グループ リーダー

 2013年、介護医療領域でITサービスを展開するメガベンチャーに新卒で入社し、営業やマーケティング機能の責任者を経験。その後、大手戦略コンサルで、小売・製造・医療業界の市場分析、戦略立案、事業開発支援に携わる。2020年9月エブリーに入社し、OMO事業部(現マーケティングソリューションズ事業部)にて新サービス開発を担当。




データの活用に関する需要の高まりと活用事例

ーお2人の現在の業務を簡単に教えて下さい!

近藤:システム開発部 データ&AIグループ(以下、DAIグループ)のデータストラテジストとしてデータのETL処理のコードを書いたり、データ可視化のためのダッシュボードを作成したり、営業向けにデータを活用した提案サポートなどを行っています。

日埜:『DELISH KITCHEN』マーケティングソリューションズ事業部(以下、MS事業部) 事業戦略グループ で、ファーストパーティデータを活用した新サービス開発を担当しています。顧客獲得とファン化を支援する「DELISH KITCHEN CONNECT」というサービスを今年4月末にリリースし、商品・営業戦略の立案、サービス開発およびオペレーション設計、カスタマーサクセスの組織作り、営業や広告企画等との組織間連携など、幅広い業務を行っています。

ー近藤さんは以前サーバーエンジニアとしても活躍されていましたが、なぜデータストラテジストとしてDAIグループへ異動されたのですか?

近藤:私は学生時代に社会科学系のデータ分析をやっていたことがあり、統計の知識をビジネスに活用したいと思いDAIグループへの異動を自ら志願しました。エブリーはベンチャー企業でありながらデータ基盤がしっかりとしていて、整備されたデータに触れることができるのも魅力的でした。現在は自分がやりたかったデータをビジネスに活用する業務に深く携われているので異動して良かったと感じています。

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ーDAIグループとMS事業部が連携するに至った経緯にはどんな背景がありましたか?

近藤:エブリーでは経営戦略上の大きな方針のひとつとしてデータ活用によるサービスのパーソナライズ化が打ち出され、開発部でも「Optimaized」を掲げ様々な場面でデータドリブンな意思決定ができるよう推進してきました。データを基盤に集約し共有するシステムを構築することで、全社員がデータを用いた意思決定を行える環境を構築し、新規施策の立案や広告提案への活用などユーザーやクライアントに対する最適な情報提供を加速させています。

日埜:MS事業部の動きとしては、『DELISH KITCHEN』の主なクライアントである食品・飲料業界のマーケティングの動向として、顧客ロイヤルティの向上やLTVの最大化など、既存顧客との関係強化が注目されるようになりました。顧客との複数のタッチポイント上でよりパーソナライズ化された訴求を行うため、データの重要性が高まっています。実際、『DELISH KITCHEN』が保有するデータの活用に関しても、お客様からご相談をいただくことが多くある状況です。

実際にデータを活用したソリューションとしてはどのような事例があるのでしょうか?

日埜:今年6月に株式会社リンガーハット様と共同で、「リンガーハット」の夏季限定メニュー「梅肉と鶏むね肉の冷やしまぜめん」のレシピを開発いたしました。このレシピ開発に『DELISH KITCHEN』が持つデータを活用しています。『DELISH KITCHEN』のアプリ上でこれまでに利用者が行った検索結果から嗜好傾向を分析し、夏季限定メニューに取り入れるべき2つの人気食材を「鶏むね肉」「梅干し」として選定し、ご提案しました。

日埜:「鶏むね肉」「梅干し」のいずれも、一定期間において検索頻度が急上昇したキーワードで、上昇の理由として食材の旬や価格、季節にあった栄養素など様々な要因が考えられます。「いつ」「どんな人が」「なぜ」検索しているのかといったことを分析し、レシピのご提案に活用した結果、通常のちゃんぽんには使用しない風味豊かな具材をたっぷりと使用した、斬新でトレンド性のあるメニューが完成した事例です。

『DELISH KITCHEN』の動画の配信に合わせてリンガーハット様の店内でも食べれるよう、期間限定で全国店舗にて同時展開をしていただきました。結果、夏のメニューの中では日販で過去最高の売り上げを記録いたしました。

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「データの民主化」でよりデータドリブンな意思決定を

ーDAIグループと連携する以前、MS事業部にはデータ活用においてどのような問題がありましたか?

日埜:大きく2つの問題がありました。1つは、データ集計のツールがなかった頃、集計に多大な手間と時間がかかっていたことです。MS事業部においてデータを活用する機会が多い営業やSTP(広告企画)のメンバーは日々多くの案件を抱えており、データ集計に時間をかけることがなかなか難しいんです。複数の人が同一のデータ抽出を行っていたり、データ項目の定義がメンバー毎に異なっていたりといった効率上・品質上の問題も発生していました。

もう1つは、メンバーのデータリテラシーの差から、データ分析の属人性が高かったことです。『DELISH KITCHEN』が保有するデータに関してお客様からご相談をいただくことは多く、お客様の意思決定に役立つ示唆を提供できたときにはとても喜んでいただけます。しかし、メンバーの熟練度や案件によっては、データ分析における論点設計が困難なケースもありました。お客様のニーズに対してより幅広く、深く応えられるような体制づくりが課題でした。

ー具体的に、MS事業部とDAIグループはどのような連携をしているのでしょうか?

近藤:ダッシュボードの作成と、個別案件の提案サポートの大きく2つを行っています。1つ目のダッシュボードは営業が提案やレポートのためのデータ集計に使うためのもので、主要な分析テーマ毎に整備されています。DAIグループではデータの民主化を掲げデータガバナンスを整えており、現在社内の全員が『DELISH KITCHEN』の個人情報を除く全保有データへアクセスし主体的に活用できる環境です。

また、2つ目の個別案件の提案サポートにおいては、ダッシュボードだけでは対応できない複雑な案件の場合に、提案に使うデータを個別に提供しています。依頼を受けると、まずは認識の齟齬を無くせるよう担当者と密にやりとりをして深掘りしていきます。お客様の課題や必要なデータ、分析方法などの論点設計を自分で考えて解決策を提案するというやり方を取っています。

ーDAIグループと連携するようになって、MS事業部ではどんな変化がありましたか?

日埜:集計工数の削減と、属人性の解消という2つのポジティブな変化がありました。まず、データガバナンスやダッシュボードが整備されたことにより工数が抑制されました。ダッシュボードは利用手順が詳細にマニュアル化されているため、誰でも間違えることなく使用できます。数回のクリックで正確にデータ集計を行えるようになり、セグメントや時間軸での比較など、より深い分析が可能となりました。先述のリンガーハット様の事例も、営業が自らデータを分析・提案し実現したものです。

加えて、DAIのメンバーに個別にサポートしていただくことで、複雑な案件でもより高い水準のデータ活用が可能となりました。これによって、『DELISH KITCHEN』全体の組織力が上がり、より付加価値の高いご提案を再現性高く実施できるようになった結果、お客様に喜んでいただけることが増え、ビジネス上の成果にもしっかりと繋がってきていると思います。

ーデータストラテジストとしてエブリーで働く魅力はどういったところに感じていますか?

近藤:データ基盤がしっかりしていることと、幅広い領域に携われることです。エブリーではDatabricksを中心としたデータ基盤が構築されており、1日あたり数億レコードのデータを処理しています。社内にはETL処理を専門に行うデータエンジニアが在籍しているものの、データ基盤はサーバーエンジニアやデータストラテジストにもオープンになっていて、Databricksを使ってETL処理やデータ分析を行うことができます。先述のとおりデータガバナンスも整えられていて、社内の人が適切なデータを自由に使える環境を構築しています。

また、データストラテジストとしてエンジニアリングからビジネスまでの幅広い領域に携われます。データをビジネスに活用するには、データとビジネスの両方に詳しいデータストラテジストが両サイドをスムーズに行き来しながらビジネスを引っ張っていく必要があります。データの収集、分析、活用までを一気通貫してやれることがエブリーのデータストラテジストの醍醐味です。

『DELISH KITCHEN』ならではのアセットを生かしてDXを推進

ー今後の展望を教えて下さい!

日埜:データの活用レベルを高め、クライアント、ひいてはエンドユーザーに『DELISH KITCHEN』ならではの新しい価値を還元していきたいです。先述のとおりクライアントのデータ活用ニーズは高まってきていますが、データを用いて新たな需要創造ができるサービスは世の中でもまだ少ない状況です。エブリーならではのアセットを使って、より本質的なDXを推進していきたいと思います。

近藤:データストラテジストとしてクライアントの期待に答え、事業を促進していきたいです。『DELISH KITCHEN』は料理という特定の領域に特化していますが2800万人以上のユーザー規模があり、さらにデータ基盤が整っているといった強みがあります。これらを生かし、独自の価値を提供していきたいと思います。

ー最後に、エブリーのデータストラテジスト職に興味を持っていただけている方へ、ひと言お願いします!

近藤:普段データを扱っている方で、もっとビジネスにデータを活用していきたいという思いのある方、エンジニアリングにもビジネスにも興味がある方にはぴったりな環境です。加えて、少しでも統計学の基礎知識があれば、今後社内の複数のサービスで幅広く活躍できると思いますので、是非一度ご連絡ください!

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