新旧CTO対談!エブリー開発本部の過去、現在、そして目指す未来とは

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エブリーは10月から組織変更を行い、これまでCTO 開発本部長を務めていた梶原が退任。新たに今井が就任いたします。なぜ今CTO交代なのか?そして、今後のエブリー開発本部の目指す未来は?新旧CTOに直撃してきました。


(写真右)

梶原 大輔

旧CTO 開発本部長

2006年4月、ヤフー株式会社に入社。2007年2月、グリー株式会社に入社後、エンジニアとしてゲーム・インフラ・技術基盤の開発に従事、 2014年より同社執行役員に就任しインフラストラクチャ本部長、開発本部長を歴任。2016年より複数の子会社の代表取締役・取締役として新規事業の立ち上げを行う。2017年同社退社後、10社以上の企業の社外取締役・技術顧問・出資支援を行いスタートアップ企業の成長支援に携わる。2018年6月に株式会社エブリー入社しCTO就任、2019年に執行役員就任。

 

今井 啓介

新CTO 開発本部長 兼 DELISH KITCHEN開発部 部長

2015年新卒でサイバーエージェントに入社。Androidエンジニア、Webエンジニアとして生配信サービスの立ち上げに携わる。2016年9月、株式会社エブリーにエンジニア第一号入社し、DELISH KITCHENのAndroidアプリ、Webサイトの立ち上げに従事。2021年7月DELISH KITCHEN開発部の部長就任。同年10月、執行役員 CTO 開発本部長に就任。




創業期から牽引してきたエブリーCTOを退任する理由

ー10月からエブリーの開発本部は新体制へ移行されますよね。まずは、今回CTOを退任される梶原さんからその理由をお伺いできますでしょうか?

梶原:ひとことで言えば、エブリーCTOとしてのミッションであった開発組織の基盤構築が達成できたと感じたからですね。名残惜しい気持ちももちろんあって、テックカンパニーとしてエンジニアの組織力を上げるためにできることはまだまだあると思っています。その一貫で体制変更を行ってきましたが、若い突破力のあるメンバーに機会を提供することも重要と感じ、今回自分自身は新たな挑戦をすることに決めました。

梶原:私がエブリーに入社した当時は『DELISH KITCHEN』のアプリがリリースされ、CMも大々的に放映していてサービスとして大きくグロースしていくフェーズでした。一方で、開発を担当するエンジニアは数名のスペシャリストたちによってなんとか運営されている状態。採用を強化し組織化を図るため、CTOとしてエブリーに入社しました。

おかげさまで、数名だったエンジニアも現在では50名ほどに増えてきました。ここ1,2年は組織が大きくなる中で「Optimaized」と「Agility」の2点を開発戦略として掲げ、その実現のため各サービスに紐づいていた開発組織を横断組織へと変更し、データ&AIチームの立ち上げや、Tecktalkやエンジニアリングブログなどの情報発信の強化にも取り組んできました。ここで、ようやく事業に貢献する開発組織の基盤は整ってきたなと一定の達成感を感じることができました。

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梶原:開発組織の次なるステップとしては、さらなる組織化とデータや共通基盤の強化です。エブリーでエンジニアが携わるサービスは『DELISH KITCHEN』に加え、ここ2年ほどで『MAMADAYS』のAPPとWebが立ち上がり、『TIMELINE』も今期から新たに立ち上げていく予定です。さらに、『DELISH KITCHEN』は「食」に関わるすべてのフェーズでのサービス提供を目指していて、オフラインでのサービス提供にも乗り出しています。この領域ではまさにテクノロジーを通じて人々のライフスタイルを豊かにするサポートができると思っており、エンジニアの力が非常に重要になってきます。

多岐にわたるサービスを支えられる各開発部門の責任者を育成する必要があるなと思い、半年ほど前から「CTO一極集中」の状態から「CTO+部長」の新体制へ移行してきました。そうした中でDELISH KITCHEN開発部は、創業期からエブリーに関わり、UX・データ・バックエンドなど幅広い知識を持ち合わせている今井さんに部長をお願いしました。

 

次の世代への機会の創出と新たなチャレンジ

梶原:今井さんにDELISH KITCHEN開発部長をお任せしてみて、開発のみならずプロダクトや事業運営に関する経験も積んできたことから、経営視点でテクノロジーを牽引する目線が備わっていると感じました。またベテランの部長陣、若手エースなどを巻き込んで採用や組織作りにもチャレンジしています。今までの常識に捉われずどんどん突破していく姿を見て、新たなCTOを生み出していく機会を作るのも大切だと考えるようになりました。

一方私は、権限委譲をし始めたタイミングで知り合いの企業を紹介されていました。オフラインで提供しているサービスをテクノロジーの力で最適化し、利益を最大化する取り組みを新たに始めるという話でした。『DELISH KITCHEN』のOMOの取り組みは私自身も事業責任者のポジションとして関わっていて、チャレンジできていることはエンジニアとしても楽しいですし満足していました。ですが、内製の開発組織がない状態から、ゼロベースで新たに開発組織を構築していくという大きなミッションに、またチャレンジしたいという思いが湧いてきてしまったんですよね。

エブリーには優秀なエンジニアがたくさんいます。私はそうしたメンバーの最適なアサインを考え、最も成果を出せる体制を構築することに注力してきました。体制基盤ができた今、私自身がよりバリューを発揮できる環境はどこだろうと考えた時に、新たなチャレンジをする決心をしました。

梶原:後任のCTOはいろいろと悩み社長である大成さんとも相談しましたが、今井さんにチャレンジしてもらうのが良いのではと意見は一致していました。DELISH KITCHEN開発部の部長をお任せしたのはその突破力を期待してでした。この半年間、すでに経営とテクノロジーを両輪で回していく実績も積んでいることからも、CTOの後任は彼に任せたらきっとエブリーの開発組織がもう一段階成長することができるなと確信しました。

 

もう一段階、ギアをあげる

ー今井さんは部長に引き続きCTOを打診されていかがでしたか?

今井:いやもちろん、CTOとして旗振りを全て引き受けてくれていた梶原さんがいなくなってしまうことは衝撃でした。ですが、不思議とこうしたい、ああしたいというビジョンがはっきりある状態で引き受けることができていて、自分としてはとてもポジティブです。

数人しかいない創業期からジョインして、これまでの会社生活を振り返ってみると、1プレーヤーとして従事しながら働きづらさを感じる部分も正直ありました。組織が大きくなり経営層、事業部、開発組織で向かう方向は一緒でも、ちょっとした認識の違いなどは生じてしまいます。

例えば、開発本部内では「Agility」は浸透してきたと思いますが、それ以外の部署とではギャップを感じる場面もあります。事業全体で見た時にはその効率性・スピードを生かし切れていないという状況を歯痒く思うこともあり、社歴も長くて遠慮せずに発言ができる自分が動かなければと感じていたフェーズでした。

梶原:私は全体のバランスを見てメンバーをケアしながら進めていくタイプですが、今井さんはガンガン自分で突破していくタイプ。全然違うリーダーになることで組織にもいい刺激になると思うんですよね。

今、エブリーはデータとテクノロジーを軸にもう一段階サービスをグロースさせなければいけないフェーズ。向かうための基盤は用意できたかなと思うので、あとは事業のアセットを生かしながら今井さんに突破していってもらえれば!

今井:私は常に、ものづくりをする人でありたいと思っていて、エンジニアとしてアプリの開発を突き詰めるというよりは、『DELISH KITCHEN』のサービス全体をつくっていける人材になりたいと思っていました。今回のCTOへのチャレンジも自分自身にとっては必然だと思っていて、サービス全体、エブリー全体を作っていく気持ちで取り組んでいければと思います。

梶原:でも本当にこの規模の開発組織であっても安心して次を任せられる人材ですし、エブリーの成長とともに、CTOとして今井さん自身も経験を積んでいくことと思います。


ビジネスを推進できる開発本部へ

ーでは、さっそく今井さんCTOの新体制では、どういったところを重視されているのでしょうか?

今井:大枠は梶原さんからあった通りで、さらなる組織化とデータをはじめとした共通基盤やオフラインでのサービス提供に向けた開発力の強化が必須だと思っています。

一緒に開発組織を作っていく部長陣はクライアント、サーバ、インフラなどあらゆる領域のスペシャリストかつ、ベンチャーから大手まで経験豊富なメンバーが揃っています。CTO経験者も多数いらっしゃいます。私にとってCTOは新たな挑戦ですが、やりすぎたり間違った選択をしそうになった時には、サイドを固めるベテラン勢がビシッと手綱を引いてくれるという安心感がありますね。

さらに、マネージャー陣、リーダー陣には専門性の高いメンバーがついていて、その2つがきっちりとハマり、ビジネスを推進できる開発本部にしていきたいですね。

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ー今後は、DELISH KITCHEN開発部だけでなく、エブリーの開発本部全体を牽引していかれるわけですが、どのように発展させていきたいですか?

今井:これまでのインタビューでも触れていましたが、ビジネスを推進できる開発本部になるというのが大きなテーマだと思っています。短期的には、OMO(DX)事業への貢献が重要になってきます。オフラインにはまだまだテクノロジーで解決できる課題がたくさんあります。開発文化として根付いてきた「Agility」を生かしながら、新たな価値を社会に提供していければと思います。

また中長期的には、やはりデータ(機械学習やAI)へのチャレンジはし続けなければならないところです。大きな可能性を秘めているので、基盤を整えながら長期的な視点でやり続けることが大事だと考えています。

マインド面の革新も進められたらと思っています。メンバーをもっと巻き込み、ひとりひとりの発信が業界へ還元され、結果として個人もエブリーとしてもプレゼンスを向上できるような状態を目指していきたいですね。あとは、私自身を筆頭に年齢や性別関係なくどんどん挑戦できる風土を作っていけたらと思います。

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