『DELISH KITCHEN』ウェブMAU2000万(※6)突破までの軌跡、Instagram最新トレンドなどナレッジを大公開(注釈は記事内参照)

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アプリユーザー評価(※1)、ウェブ利用者数(※2)、SNSファン数(※3)、レシピ動画数(※4)、サイネージ広告出稿社数(※5)の5つの項目においてレシピ動画サービス国内No.1を達成したことを発表した『DELISH KITCHEN』。前回は、「アプリユーザー評価」と「レシピ動画数」について、DELISH KITCHENカンパニー長の菅原に詳しく聞きました。この記事では、『DELISH KITCHEN』のウェブとSNSが、どのようにユーザーのニーズやトレンドを捉えて改善を行ってきたのか。サービス全体のPdMを統括する堀田と、前回に引き続きカンパニー長の菅原に話を聞きました。


菅原千遥
取締役執行役員DELISHKITCHENカンパニー長 共同創業者

2012年慶應義塾大学を卒業後、グリー株式会社に入社。事業責任者として女性向けネイティブゲームに従事し、その経験を活かし戦略部門にて子会社や投資先会社の事業管理基盤構築を推進。その後、新規事業の立ち上げを主導。2015年9月、株式会社エブリーを共同創業。レシピ動画メディア『DELISHKITCHEN』を立ち上げ、2018年に執行役員に就任。2020年、取締役執行役員に就任。

堀田敏史
DELISHKITCHENカンパニーサービスグロース部部長

新卒でグリー株式会社に入社。エンジニアとしてソーシャルゲームの企画開発、新規事業領域で介護施設メディアの開発に従事。その後、起業、フリーランスを経て、2016年株式会社エブリー入社。2020年1月からDELISHKITCHENカンパニーユーザグロース部副部長に就任し、2021年から現職を務める。

 



各No.1の註釈一覧】

(※1)data.ai調べ(App Store「フード&ドリンク」カテゴリーにおける累計評価数1万5000件以上のiOSアプリの平均評価値〔各リリース日~2022/02〕)

(※2)SimilarWeb調べ(対象期間:2021/12/1~2022/2/28)。レシピ動画の掲載を主目的とするウェブサイトの月間利用者数を調査。

(※3)「SNS」=Instagram、Facebook、YouTube、Twitter。自社調べ(2022/2/28時点)

(※4)自社調べ(アプリ上の公開本数、2022/2/24時点)

(※5)「サイネージ」=小売店舗に設置されたデジタルサイネージ。「広告」=メーカー商品を広告するレシピ動画。自社調べ(2021/1/1~2021/12/31)

(※6) 2022年2月



『DELISH KITCHEN』ウェブMAU2,000万を突破!No.1を獲得するまでの6年間の軌跡

先日、『DELISH KITCHEN』が5つのジャンルで国内レシピ動画サービスNo.1を獲得したことをお伝えしました。この記事では、ウェブ利用者数/SNSファン数が、それぞれNo.1に至るまでの裏側について紐解きます。

▼前回記事はこちら

『DELISH KITCHEN』、アプリユーザー評価(*1)、レシピ動画数(*4)、国内レシピ動画サービスNo.1を達成!(注釈は記事内参照)

▼リリース

『DELISH KITCHEN』、国内レシピ動画サービスでアプリユーザー評価(*1)、ウェブ利用者数(*2)、SNSファン数(*3)、レシピ動画数(*4)、サイネージ広告出稿社数(*5)No.1を達成

 

ー『DELISH KITCHEN』カンパニー長の菅原と、DELISH KITCHENカンパニーサービスグロース部の部長を務める堀田さんに、お話を伺います!堀田さんは、現在どんなことをしていらっしゃいますか?

堀田:アプリ/ウェブ/SNSをより多くのユーザーに使ってもらうことをミッションに、施策の取りまとめを行っています。どういったユーザー課題があるのか、『DELISH KITCHEN』を使う理由は何か、実際にユーザーへのインタビューや定量データを見ながら企画をしています。

ーウェブ利用者数の増加について教えてください。

菅原:記事コンテンツ数の増加や、ユーザーニーズに沿ったレシピページの制作、またUI/UXの向上に伴い、MAU(月間利用者数)が徐々に増え、現在2,000万MAUを突破。(※6)国内レシピ動画サービスにおいてウェブ利用者数(MAU)No.1を獲得しました。MAUは、ユーザーの満足度を測るために絶対的に重要視している指標の1つです。

ー“料理の「負の部分」を減らし、よりハッピーな体験を増やしていく”というサービスのビジョンに対して、ウェブはどんな役割を担っているのでしょうか。

菅原:『DELISH KITCHEN』のウェブは、検索から流入した新たなユーザーとの接点になる、サービスの重要な入口です。SNSをフォローしていただいたり、アプリをダウンロードしていただいているユーザーは、すでに『DELISH KITCHEN』とのタッチポイントが形成されているため、中長期的にサービスの情報をお届けすることができます。

しかし、Googleなどの検索ブラウザから流入するユーザーは、「調べたい情報を解決したい」という即時的・短期的な課題を解決するために、『DELISH KITCHEN』のウェブに訪れていただくことが多いと思います。そういった意味で、より幅広いユーザーに対して、料理の課題を解決していく役割を担っていると思います。

ーでは、どのような道のりを経て、国内レシピ動画メディアとしてウェブ利用者数No.1に至ったのでしょうか。これまでの『DELISH KITCHEN』ウェブの歴史を軽く振り返っていただきたいです!

菅原:2015年に1枚のLPからスタートし、信頼性を担保するための施策、ユーザーニーズの定量化によるコンテンツ改善、より使いやすくするためのUI/UXの改善など、ステップを踏んで今の状態に至っています。

ーさまざまな施策を実施してきていますが、多くのユーザーに使っていただけるようになったのは、どのような施策の影響が大きいですか?

菅原:ユーザーニーズを定量化・再定義してコンテンツ作りを始めた頃から、MAUが大きく積み上がってきました。キーワードボリュームや関連キーワード、『DELISH KITCHEN』の中での新規性などを精査して、レシピ×食材×レシピ名の組み合わせを考案し、レシピごとに優先順位づけをしてコンテンツ制作を行っています。

堀田:例えば、「ピーマン」を使ったレシピや料理は数多くある中で、どんなレシピの需要が高いのか。ユーザーに求められているレシピは何なのか、ということの見極めをより細かく行ってきました。

加えて、レシピや料理動画として見せづらいものは記事としてコンテンツ化することで、ユーザーのニーズを満たせるようにしています。栄養素や食材の種類についての知識などは、レシピ動画としては見せづらいですが、記事であれば文章や写真・図を使ってわかりやすく伝えることができますよね。

ー施策を進めるにあたって、どうやってユーザーニーズを捉えているのでしょうか。

堀田:実際にユーザーがどんなキーワードで検索しているか、そのボリュームの大きさ(=ユーザーニーズの高さ)、そのキーワードで検索しているユーザーがどんな課題を持っているのか(上位にあるサイトでどんな内容を扱っているか)でユーザーニーズを想定してコンテンツ制作をしています。

データの裏にある、現実のユーザーの生活や心理を想像することが、ユーザーの生活を豊かにするプロダクト作りにつながると考えています。

ーユーザーニーズに沿ってコンテンツの改善を進めるとともに、ウェブページそのものの使いやすさの改善も進めていますよね。

堀田:『DELISH KITCHEN』のレシピページに流入したユーザーの中で、対象のレシピコンテンツで課題解決ができなったユーザーに対し、関連レシピを提案し、別のレシピページを閲覧してもらえるようにするための施策を実施しました。

堀田:データから見出した要素をもとに検証を進め、ユーザーにレシピを提案するロジックを修正したところ、関連レシピのCTRの数値が大幅に改善しました。この施策により『DELISH KITCHEN』のレシピページに流入したユーザーに対して価値提供を増やすことができ、結果として『DELISH KITCHEN』内の回遊率が上昇しました。

ーこういった改善を続け、ウェブ利用者数No.1という結果に繋がったんですね。 

 

ユーザーに寄り添ったコンテンツを作り続け、SNSファン数No.1(※3)を獲得

ー続いて、SNSファン数においても国内レシピ動画サービスNo.1を獲得したことについて詳しく教えてください!

菅原:SNSでは、Instagram/YouTube/Twitter/Facebookの4つのプラットフォームにおいて、『DELISH KITCHEN』のSNSアカウントの総フォロワー数が600万人を突破し、No.1を獲得しました。(※3)

フォロワー規模だけではなく、エンゲージメントとしても、1コンテンツあたりのいいね数が多く、1回の投稿につき17,000以上の「いいね」をいただいています。

ー『DELISH KITCHEN』は約6年前、SNSサービスからスタートしていますよね。

菅原:はい。2015年に『DELISH KITCHEN』サービスを開始した当初は、YouTube、Facebookへ撮った動画コンテンツを投稿するところから始めています。コンテンツがどうユーザーに受け入れられるかを検証をするには、投稿して数時間ほどでダイレクトに視聴者の反応がわかるSNSが合っていたんだなと、振り返って感じますね。高速でPDCAを回し、1ヶ月ほどで現在に近い真俯瞰の動画フォーマットになりました。

ー「コンテンツ」が核にあったんですね。

菅原:はい。私たちのサービスの要となるのは、1つ1つのレシピコンテンツです。これらのレシピを起点にしたユーザーとの接点を大事にして、それぞれのレシピを作ってくださったユーザーに「美味しく作れた」「苦手だったものが食べられるようになった」などの成功体験を作っていきたいと考えています。

堀田:SNSにおいても、一時的にバズる特別なコンテンツではなく、普遍的なニーズがある日常に寄り添ったコンテンツを安定的に提供していくことは、サービス開始から現在まで一貫して意識していることです。

ー そうしてはじまったSNS投稿において、トレンドに変化はありますか?

菅原:コンテンツと投稿フォーマットの大きく2つのトレンドがあるかなと思っています。特にInstagramのコンテンツトレンドとしては、ここ3〜4年でSNSの使われ方が変わってきていると感じます。ユーザーの年代層が若年層から幅広くなっていくのに伴い、求められるものも「映え」から日常に役立つ情報に変わってきています。加えて、タグやキーワードで検索して特定の情報を収集する使われ方が当たり前になりました。

『DELISH KITCHEN』においても、元より日常に寄り添ったレシピが多いですが、最近はその中でもより定番系の食材や料理の人気が高い傾向にあります。例えば、「きゅうり」など、スーパーで安く入手できる普通の食材を使って、少しだけアレンジをしたようなもの。見た目が美味しそうで、かつ簡単にできるようなレシピが人気です。さらに短期では、材料ごとの旬を抑えた季節性はもちろん、例えば2021年頃話題になった「台湾カステラ」など新規性のある料理やワードのレシピは抑えるようにしています。

菅原:フォーマットのトレンドとしては、各プラットフォームごとの機能変更や追加などによって変化するので、それをいち早く掴んで対応しています。通常は1分間の動画ですが、InstagramリールやTikTok、YouTubeショート向けに30秒くらいの短尺動画など新しいフォーマットの動画も作っています。

ーフォーマットのトレンドについて、直近のSNSではどのような改善を行ってきましたか?

堀田:例えばInstagramでは、発見タブに表示されるために、より多くの人の目に留まりやすいサムネイルに改善したり、食事の準備をする時間帯に合わせて投稿したりしてきました。

検証の中で、1つのレシピ動画を載せた投稿よりも複数の画像や動画を連結したカルーセル投稿の方が滞在時間が伸びるということがわかったので、1枚目には画像を置いてスワイプしてもらうと動画が見える形にしました。加えて、サムネイルの文字を大きくするとともに、タイトルの付け方も「人気のお昼ごはん○選」や「人気の晩ごはん○選」のように幅広い世代の人に自分ごと化してもらいやすいようなタイトルをつけるように意識しています。

堀田:これらの改善により発見タブに表示される回数が増え、発見タブから流入するユーザーが増えるに従ってフォロー数が増加。国内レシピ動画サービスでSNSファン数No.1を獲得するに至る要因の1つになったと考えられます。


今後の展望について教えてください!

菅原:『DELISH KITCHEN』を使ってくれているユーザーのみなさまに、さらに喜んでいただけるよう、ウェブ・SNS・アプリコンテンツの質とUI/UXのさらなる改善を今後も進めていきます。

また、『DELISH KITCHEN』は小売店舗を支援するリテールソリューション事業も手がけています。オンラインのサービスで培った知見を生かしながら、オフラインの実店舗でも毎日のレシピのご提案を行うことで、より多くの方にとって料理をより楽しい体験にしていきたいです。OMOを推進し、『DELISH KITCHEN』の目指す世界観を実現していきたいと思います。

ーありがとうございました。

次回は、ユーザーの小売の課題解決を図るリテールソリューションについて。サイネージ広告出稿社数(※5)1位獲得の裏側を深掘りします!

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