VP of Customer Experience(CX)が語る、魅力的なCX組織づくり。「良いUI/UXを作っていくには、ユーザーの観察・分析が不可欠」

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エブリーにおけるヴァイスプレジデント職(以下、VP)は、事業横断で職種ごとの成長支援、人事評価、採用強化などの役割を担います。今回ご紹介するのは、よりきめ細かくパーソナライズされたUI/UXが求められつつあるCXについて。VP of CXを務める作花に、今後目指していくところや実際にどのような方法で魅力的なCX組織を作っていくのかを伺いました!


作花 慎一

VP of Customer Experience

TIMELINEカンパニー  サービスグロース部  カスタマーエクスペリエンスグループマネージャー

2007年より株式会社Bellsystem24にて、大手ECのテクニカルサポートやWeb広告審査のSV、BPOなどを経験。2011年にグリーへ入社し、内製/Pub含めた十数のゲームタイトルCSを担当後、品質管理部門を立ち上げアプリ審査、企画審査を統括。2017年、エブリーに入社し、リスクマネジメント委員会、DELISH KITCHENのカスタマーエクスペリエンスを主導。2022年から新たにTIMELINEカンパニーのカスタマーエクスペリエンス(CX)の立ち上げに従事。同年7月、CX ヴァイスプレジデント職に就任。




VP(ヴァイスプレジデント)職を設置した狙い

ー今回カスタマーエクスペリエンス(以下、CX)組織のVPに就任された作花さんは、CXとして数多くのサービスや組織立ち上げに携わっていらっしゃいますよね。簡単にご経歴を紹介いただけますでしょうか。

作花:主にCXとリスクマネジメントに携わっています。株式会社Bellsystem24にて大手ECのテクニカルサポートやWeb広告審査のSV、BPOなどを経験し、2011年に入社したグリー株式会社では十数のゲームタイトルCSを担当させていただきました。その後品質管理部署を立ち上げ、全社横断で健全化に向けた施策の立案や実行を統括したのち、業界全体でのガイドライン策定にも携わりました。

2017年にエブリーに入社してからはリスクマネジメント委員会の立ち上げやメディアコンテンツの健全化に向けたコンテンツ品質分科会長を務め、加えて『DELISH KITCHEN』のCXを主導しました。今年2022年からは新たに『TIMELINE』のCX立ち上げに従事しています。

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ーなぜ今回新たにVPを設置したのでしょうか?背景を教えてください。

作花:エブリーは『DELISH KITCHEN』『MAMADAYS』『TIMELINE』3つのメディアを運営していて、組織構造としてもエンジニアとアカウントエグゼクティブを除いて基本的には事業ごとの縦割り構造になっています。その中で、エブリーとしてカンパニー横断で職種ごとの成長機会の提供を行うべく、事業ごとの意思決定をするカンパニー長や部長といった役職とは別に、VPを新たに設置しました。VPの大きな役割としてはカンパニー横断で各職種の成長、人事評価や採用の強化を図ることです。

ーCXではこれまでどのような状況があったのでしょうか。

作花:前述のようにエブリーは事業が各カンパニー単位で独立しているため、CXとしても最初は事業部間のノウハウの横展開が難しい状況でした。そこで3年ほど前からカンパニーを跨いで交流会や1on1を実施して、ノウハウの横展開を図っています。エブリーは事業ごとにターゲットやフェーズが違っていても、ECなど共通の構造を持つサービスを展開している部分が多いので、ノウハウを共有したり複数の事業のデータを集約して分析したりすることによるメリットが大きいんです。

今回VPを任せていただきましたので、引き続き横のつながりの中で切磋琢磨できる機会を大事にして、CX組織のみんなが楽しく納得して成長できる基盤を作っていきたいと考えています。


事業横断で取り組んでいること

①CXとして横断ミッションを策定

ーそれでは具体的な取り組み内容について教えてください。最初はどんなことから始めましたか?

作花:まずは、CXとして事業横断のミッション【感動でお客様のサービス体験価値を最大化させ「ファン」を作り続ける】を策定しました。エブリーでは「OKR」を使い事業優先度を決定していますが、事業の成熟度によってやるべきことが変わってきます。例えば事業立ち上げ時のCXと立ち上がってる事業の成長を支えるCXはやるべきことが変わってきますので、その中で本来CXがやるべき方向性を見失わないようにするために1つの指針として策定しました。

「ファン」とは感動で口コミを広げてくれるお客様、つまりNPSスコアにおける推奨者と定義しています。ファンを作り続けるために必要な要素として「信頼できるサービス」「感動するサービス体験」「期待を上回るサポート」の3つの価値を設定し、各事業のCXの成熟度に応じて半期ごとに注力ポイントを決めて走り切るようにしています。

②より信頼されるメディアを目指して

ー事業が違っても、共通のミッションを掲げることで共通の認識ができますね。横断で取り組んでいく中で共通課題も色々と出てくると思いますが、直近だとどのようなことに取り組もうとされてますか?

作花:エブリーは動画メディア事業から始まり、そこを起点にして各事業が色々なことに挑戦してます。ここで大事なのがコアのメディアの信頼性が揺らぐと、それに付随したサービスにも多大な影響が出てしまうことです。

そこで例えば上記図にある「信頼できるサービス」ではコンテンツ品質を担保するためのルール作りや社内向け啓発などを従前から実施してますが、お客様にはコンテンツの裏側までお伝えが十分にできていないことを課題に感じています。

「信頼」を得るには、コンテンツの質だけではなく背景も知っていただくことで、より信頼に近づけていくことができるのではと考えており、全メディア通じてやって行きたいと思っています。

③CXの成長を支援

ー成長支援という観点ではどんなことに取り組んでいますか?

作花:大きく2つあり、1つ目はCXとしてのスキルの可視化です。
CXとしてカンパニー横断でスキルアップを図る上で、定められた等級(グレード)ごとに求められる共通のスキルをスキルマップに示しました。これにより、メンバーが今後どういったスキルを伸ばせばさらに上を目指せるのかが明確になります。半期に1度、全てのCXメンバーとグレード1on1を実施し、このスキルマップをもとにフィードバックと次の目標設定を行っています。

2つ目は、データ活用人材になるための中長期を見据えたスキルアップです。
例えば、現在エブリーでは「Zendesk」というお問合せ管理ツールを使用していますが、この中のデータをサービスデータと連携することで、よりきめ細やかなサポートを目指していくことができます。これまでCX単体ではサービス側のデータ抽出ができなかったので、CXが自ら社内のデータダッシュボードで欲しいデータを取得できるようにするためSQLの習得を進めています。また、得られたデータ等を有効活用してよりスピーディーにUI/UXの改善を行うべく、ヘルプページを改修するためのHTML/CSSなど簡単なプログラミングスキルの習得も優先度に応じて進めています。

これまでエンジニアやプロダクトマネージャーなど他の部門の方に依頼しないと進められなかった部分を、少しずつ自分達だけで主体的にトライしていけるような土壌を作っていきたいです。


よりユーザーに寄り添ったUI/UXを提供するには

ー自社のデータをお客様対応へ活用していくことは、業界的にも多く見られるのでしょうか。

作花:そうですね。やはり「いかに良いUI/UXを作っていくか」ということを考えると、自分の中だけには答えがなくて、ユーザーをきちんと観察・分析してABテストしていいプロダクトを作っていくプロセスが必要になります。どの部門でもユーザ分析が求められるようになっている中で、CXもよりユーザーに寄り添うためのデータ活用が必要になっていると思います。

ーSQLやHTML/CSSも習得していくとなると、CXとしての業務の幅が広がりそうですね。そういったスキルの習得は、どのようにして進めているのでしょうか?

作花:事業ごとに注力ポイントが異なる状況ですので、画一的に進めるのではなく各事業の優先度に応じて進めてもらい、定例でノウハウを共有しあうようにしてます。学習方法としては例えば現在「Progate」の学習ツールを活用していますが、ほかにも良いサービスが出れば柔軟に取り入れていきたいですね。

ー実際にやってみていかがでしたか?

作花:実際にやってみると、今までなんでやってなかったんだろうと思うほど「あ、これね!」と理解できて面白かったです(笑)。例えば、ヘルプページで視認性が悪かったある特定の部分を、各サービスのデザインに沿ったカラーに変えるといったちょっとした改修を自分達でどんどん進めていけるようになったので、1つ1つの施策進行がスムーズになりました。これまではエンジニアに依頼して進めていたのですが、ツールをうまく他のものと混ぜて使ったり、スキルを身につけて主体的に動いていくことで施策の精度が高まり、より良いサービスを提供していくことができるんじゃないかと思っています。

ーありがとうございました。最後に今後の展望と、同職種の方へのメッセージをお願いします!

作花:長期的にはミッションにも掲げている【感動でお客様のサービス体験価値を最大化させ「ファン」を作り続ける】組織にしていきたいです魅力的なCX組織であり続けるべく、今後は社内の横のつながりを作っていくだけではなく、社外のCS/CXの方との交流機会を設けることで業界全体で切磋琢磨していければと思っています。

つきましては、社外でも交流できる仲間を募集中です!エブリーのCXについて興味を持っていただけた方は是非お気軽にお声がけいただければと思います!

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