エブリーはリテールメディア構築の実現に向けて、小売業向けに統合ソリューションを提供する『retail HUB(リテールハブ)』を2023年にスタートさせました。その1つであるネットスーパー事業では、「黒字化できないビジネス」という業界の常識を打ち破る挑戦を続けています。そんなネットスーパー事業を牽引するPMMに、どのような役割を担っているのか、その中で感じるやりがいについて聞きました。
加藤 杏子
データソリューション本部 リテールハブ事業部 事業戦略グループ
2017年に株式会社昭文社に入社し、「まっぷる」「ことりっぷ」などのガイドブックブランドを活用したプロモーションやコラボ商品の企画営業を担当。その後、レシピメディアの会社にてメーカー向けの広告、販促商品の開発に携わる。2023年にエブリーに入社。リテールハブ事業部にて、ネットスーパー事業を担当。各小売のネットスーパー事業の黒字化と事業拡大のため、ネットスーパービジネス全般の課題解決、戦略立案を推進している。
「新しい未来の買い物体験」を一緒に作りたい
ー前職ではどんなことをされていたのか教えてください。
加藤:新卒で株式会社昭文社に入社し、「まっぷる」「ことりっぷ」などのガイドブックブランドを活用したプロモーションや、メーカーとのコラボ商品の企画営業を担当していました。その後、より多くのデータ活用ができる環境で働きたいと考え、レシピメディアの会社に転職し、メーカー向けの広告企画営業を経て、広告商品や販促商品の開発を担当。広告に留まらず、幅広くメーカーのためにできることを考え、販促企画、SNSやインフルエンサーを活用したイベントなどを実施していました。
ーそんな中、エブリー転職に至った経緯はなんだったのでしょうか。
加藤:仕事を通じてメーカーに向き合う中で、購買に近いところでプロモーションしたい、ユーザーの購買行動に影響を与えたい、というニーズの高まりを感じていました。その要望を叶えたいと考えた時に、プロダクトだけでは解決できない日本特有の商習慣に直面しました。日本における食品業界のEC化率は3%ほどとも言われているように、食品をスーパーで購入する方が圧倒的に多いのが現状です。そのため購買行動を決める要因が「店舗での出会い」に限定されてしまっており、購買に近いところでアプローチできる手段が少なかったんです。
そんな課題に直面している時にエブリーと出会って、プロダクトだけでなく食を取り巻く領域を変革するチャレンジをしていることに魅力を感じ、一緒に「新しい未来の買い物体験」を作りたいと思いましたね。また自分のキャリアを考えたときに、プロダクトのみならず、事業全体の開発や推進に携わる挑戦をしてみたいと考えていたことが後押しになり、入社を決めました。
プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)として、ネットスーパーの黒字化に挑む
ー所属しているリテールハブ事業部と、加藤さん自身のミッションについて教えてください。
加藤:リテールハブ事業部としては、20兆円規模の食品小売マーケットのデジタルシフトを加速させ、日本の小売市場にフィットした「リテールメディア」を構築してマーケティングの構造と生活者の体験を変革させたいと考えています。
「リテールメディア」の構築を見据えて小売業が新しい買い物体験をとどけるハブになることを目指し、昨年『retail HUB』という名称でサービスを開始しました。『retail HUB』では、サイネージを用いた店頭販促のデジタル化を推進する「ストアDX」、店舗オペレーションや配達管理の支援も行う「ネットスーパー」、アプリを導入から運用まで支援しCRMまでサポートする「小売アプリ」の3つのカテゴリーで、統合的なソリューション提供をしています。
リテールメディアで「新しい未来の買い物体験」を。20兆円マーケットの変革に挑む
その中でも私は「ネットスーパー」を担当しており、「ネットスーパーは黒字化できないビジネス」という業界の常識を打ち破り、売上を上げて事業として成り立たせていくことを大きなミッションとしています。
現在は日本全国で約20社に「ネットスーパー」のシステムを提供していますが、システム導入だけでなく運用面も一緒に伴走してサポートしており、例えばネットスーパーに即した品揃えの設計、商品管理、ピックパック等のオペレーション、配送の効率化など、あらゆる課題の解決をサポートし、事業拡大に導くことを目指しています。
ープロダクトマーケティングマネージャー(以下 PMM)とは、どんなことを担っているのでしょうか?
加藤:PMMは、市場を踏まえた戦略立案や営業方針の策定、クライアントに向き合った課題解決などのビジネスサイドの取りまとめやソリューション企画・開発を役割としています。ネットスーパー事業においては、クライアントである小売がネットスーパーを黒字化できるビジネスとするために、市場の状況を踏まえながら小売の課題解決とその改善に向けて伴走しています。
ープロダクトマネージャー(以下 PdM)との違いはどんなところにあるのでしょうか。具体的にどのようにネットスーパー事業を進めているのかも伺いたいです。
加藤:ビジネス設計を役割とするPMMに対して、PdMはプロダクトの具現化を役割としていて、エンジニアを巻き込みながらプロダクトを世に出していきます。
ネットスーパー事業においては、PdMはサービス認知から会員登録、初回注文、継続利用に至るまでを行動データやユーザーヒアリング情報などに基づいて課題特定し、改善策を立案してプロダクトに落とし込みます。PMMはそうしたプロダクト観点も踏まえた上で、ネットスーパーをどのような形で支援していくべきかサービスのメニューを作っていきます。
その上で、小売のビジネスとして黒字化や売上拡大ができるよう伴走します。小売との議論の中で新たに必要な分析などはPMMとPdMが協働しながら行い、このサイクルを回しています。足元の課題も多い中で実際にアクションしていただくのは小売さんなので、黒字化を目指すという目的とその道筋をデータをもとに提示して実行に移していただけるように心がけています。
スピード感と裁量があることで業界の未来をつくりあげていける
ー『retail HUB』のPMMとしての面白さややりがいはどんなところにあるのでしょうか。
加藤:1人じゃ実現できない「事業を作り上げること」に向かって、社内外問わずクライアントやあらゆるステークホルダーを巻き込みながら一緒に新しい価値・体験・事業を世の中に産み出すことができるところです。ネットスーパーの現状として、アプローチが異なる課題が山積しているので難しさはありつつも、ネットスーパー事業の黒字化と事業拡大という未踏の課題にチャレンジすること、業界の常識を覆すという大きなチャレンジに挑んでいることにワクワクしています。
「事業を作り上げること」は私にとって大きなやりがいの1つです。ネットスーパーはまだ日本において大きな成功事例はない事業ですが、ソリューションを形作っていくところから、事業として黒字化、拡大させていく過程は今の『retail HUB』のPMMにしか経験できないことかなと思います。ただ、これもひとりではもちろん実現できなくて、社内外問わずみんなが諦めていることでも丁寧に働きかけていって、課題に気づいてもらい解決に向けてやる気になってもらう…そうやって少しずつ影響範囲が広がって事業が軌道に乗り、歯車が回り出す感覚を得ると、本当にPMMをやっていてよかったなと感じますね。
あとはやはり、多くの人の課題である「食」「買い物」の新しい体験をつくっている、ということはやりがいにつながっています。これは「食」を取り巻く環境全てを事業領域としているエブリーだからこそできることだと思っています。「新しい未来の買い物体験」を自らの手で創っていくことに全力で取り組んでいきたいです。
ーそうした環境の中で、ご自身はどんな成長を実感していますか?
加藤:まず、「retail HUB」は0→1フェーズの新規事業なので、型が少なくゼロから考え作り上げていくことの方が圧倒的に多いです。そんな環境の中で、守備範囲広く裁量権を持って、どんなことにも当事者意識を持って向き合うこと、知見のないことでも自ら答えを模索していく自走力が身についたと感じています。社内外問わず巻き込む人たちがたくさんいる中でも、フットワーク軽くコミュニケーションを取りにいき、スピード感を持って自ら提案していくことができています。
「リテールメディア」構築に向けてカバーするべき領域が広いからこそ、プロダクト視点だけではなく事業開発視点で取り組むべき優先順位も考えられるようになりました。今後横展開していくためにどのような基盤作りをすれば良いのかなど、新規事業ならではのスキルもつけられると感じています。
また、エブリー社員の皆さんが持つ多様性による成長もあると感じています。エブリーは複数のメディアを持っていることもあり本当にいろんな人がいて、働く目的も様々ですし、入社当初からすごく刺激的に感じていました。自分にないものを持っている多様なメンバーと協力するからこそシナジーが生まれ、チームとしてアウトプットの精度が上がると感じています。
ーPMMとして、今後どんなところを目指していくのでしょうか?
加藤:事業としては、今、ようやくネットスーパーのPoCが形になり、黒字化する事例も出てきました。ここからはネットスーパー事業の成功事例を仕組み化し、横展開できるようにすることが当面の目標です。そのためにPMMとして事業の先頭に立って推進し、新しいソリューションや買い物体験をつくり上げていきたいですね。
また、『retailHUB』全体として目指している「リテールメディア」を構築していくという目標に対してはまだまだこれからです。ネットスーパーの事業を成功に導き、「リテールメディア」を引っ張っていく礎を作っていきたいと思います。
リテールメディアの構築という大きな目標に対して、一緒に成長できる仲間をお待ちしています!
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