2025年12月3日(水)、SalesNow社・WHERE社共催のオンラインイベントに、エブリーの開発本部から24新卒エンジニアの新谷が登壇しました。
複数社が登壇し、「プロダクト開発の現場で活かすAI活用」についての実践知を共有しあうイベントとなりました。当日の様子と、新谷の登壇内容についてレポートします!
イベント概要
AI活用が急速に進む中で、「ツールの選定基準がわからない」「PoC止まりで本番運用までいかない」といった開発現場の悩みが増えています。
本ミートアップは、そうした課題に対し、AIを実際の現場で最大限に活用している企業が成功・失敗の実践知を共有し、明日から使えるリアルなヒントを持ち帰ることを目的に開催されました。
再現性のあるAI活用・ナレッジ管理・運用改善の方法、CopilotやAIエージェント、コード生成などのリアルな導入事例、さらには導入後の運用課題やチーム内浸透のコツなどの学びが得られるイベントとなりました。
登壇内容
◼️登壇者
開発本部 開発1部 ヘルスケアチーム リーダー 新谷 悠太
2024年に新卒入社し、現在は『デリッシュキッチン』が展開するヘルスケアアプリのバックエンド開発を担当。
仕様書駆動開発(cc-sdd)導入の狙い
「cc-sdd」は、AIコーディングエージェント(今回はClaude Codeを使用)を活用し、要求定義 → 詳細設計 → タスク分解 → 実装 というプロセスを順次承認制で進めていく開発手法です。
「設計書だけでシステムが完成すれば、チームの開発生産性が劇的に上がるのではないか」という仮説を持ち、cc-sddを実務のAPI開発に導入。AIが実装している間に人間は別タスクを進める「並列作業」や、設計段階での合意形成による「手戻りの削減」を期待してのチャレンジでした。
成功と失敗のリアル
実際にアプリのAPI開発で2つの機能を実装した結果は以下の通りです。
1. プッシュ通知設定API(成功事例)
シンプルな機能開発においては、チームへの設計共有を含めても約3日で完了。コード実装後の大きな修正もなくスムーズに進行し、ロジックが単純なタスクにおいては、高い生産性を発揮できることを確認しました。
2. ミッション達成計算API(課題事例)
一方、複雑なロジックを伴う機能開発では課題がありました。詳細設計書への言語化不足や、AIへのコンテキスト共有が甘かった結果、生成されたコードが不適切に。最終的に大幅な修正が必要となりました。
検証からの学び
明確なタスクには最適: シンプルな実装であれば、AIに任せて修正不要なレベルまで実装できる可能性がある。
設計力が試される: 複雑な実装をAIに任せるためには、設計書に「何をどこまで書くか」というエンジニアの言語化能力や、AI用のコンテキスト整備(CLAUDE.mdなど)が必須。
スイッチングコストの発生: AIの実装待ち時間に別の仕事をしても、頭の切り替えにコストがかかり、想定通りの並列作業は難易度が高い。
今後は、cc-sddの最新アップデートによるテンプレート機能なども活用しながら、より効率的な開発フローを模索し、開発をさらに効率化していくための挑戦を続けていきます。
まとめ
エブリーでは、こうした新しい技術や開発手法の検証を、新卒メンバーも含めて積極的に行っています。今後もイベント登壇などを通じて、得られた知見を社外にも発信していく予定です。少しでもエブリーの開発組織に興味を持っていただけた方は、ぜひ下記の採用情報もご確認ください!