カネボウ化粧品のコスメブランド「コフレドール」は、動画プロモーションに動画メディア「KALOS」を活用。魅力ある商品を続々と投入するコスメブランドは、広告やコンテンツがすぐに埋もれてしまうのが実情だ。そんな中、「コフレドール」は継続的な動画施策を実施し、読者から大きな反響を呼んだという。その理由と取り組みについて聞いた。
左)エブリー マーケティングソリューションズマネージャー 小渕 ちあき氏
中)カネボウ化粧品 マーケティング部門 コフレドール担当 五十嵐 糸氏
右)エブリー マーケティングソリューションズ アカウントエグゼクティブ 吉田 早紀氏
キーワードを軸に、新規ユーザーの商品理解を促進したい
五十嵐:カネボウ化粧品では様々なコスメブランドを展開していますが、「コフレドール」は20~30代の女性向けコスメブランドです。今回依頼したアイテムのひとつが、上手く隠せないという声が多い「クマ」を隠すオレンジ色のコンシーラーです。「クマ」の要因は様々ですが、近年増えてきている傾向にあるのは、スマートフォンの見過ぎなどによって目の周りの血行が悪くなることでできる“青グマ”。
これを自分ゴト化し実感してもらうため、時流に合わせ「スマホグマ」というキーワードをつくり、プロモーションを図りました。その中で、コフレドールとターゲット層が一致していて、動画で利用シーンを訴求できる「KALOS」さんにご依頼しました。
もうひとつ依頼したパウダーファンデーションは、冬はうるおうタイプを使用したいというニーズの高いアイテムです。今回はそんなニーズにマッチしたうるおい感に特化したファンデーションであることを伝えたく、単にハウツーではない語りかけ方はないかとご相談しました。
ピンポイントな悩みをフックに 動画でユーザーの共感を醸成
コンシーラーは、ビフォーアフターで機能をしっかり伝えた。
吉田:1本目のコンシーラーは「スマホグマ」をきれいに消せるという商品と伺い、ユーザーとの親和性があるなと感じました。動画内では、まず「スマホグマ」とはどういう状態なのか、一因は夜に長時間スマホを使うことだということをしっかりとシーンで見せました。
非常に機能性が優れた商品だったため、オレンジ色のコンシーラーで青いクマがキレイに消えるところを、動画ならではのビフォーアフターで見せるようにしました。ターゲット層の女性たちがやりがちな行動でフックを作り、商品の効果もしっかり伝えることで、ユーザーの納得感を醸成できるハウツー動画になったと思います。
五十嵐:「KALOS」は、25歳~34歳の女性にアプローチすることができ、現代の働く女性たちが抱える悩みを捉えた切り口で企画してくださったのがありがたかったです。“より綺麗になりたい”というのではなく、“気になるクマを隠したい”というお悩みは、しっかり解決されなければ意味がありません。
クマに気づくところから、塗る場所、指の使い方など細かいところまで分かりやすくまとめて頂きました。動画は、聞いたり写真で見たりするより理解が圧倒的に早いなと感じましたね。
吉田:2本目のファンデーションは、季節的に冬だったため、この時期気になる肌の乾燥をテーマに「デート」というシチュエーションでご提案しました。また、こちらの施策はSNSの他にも美容室のタブレット端末でも配信しました。
小渕:掲載が12月後半からということもあり、クリスマス前で美容室の需要が高まる時期です。髪をきれいにするのと同時に、デートシーンを動画で見せることで「冬デートには乾燥していない生湿感なお肌でうるっと女らしく」という訴求はその時期の美容室にピッタリ合うと思いました。
五十嵐:こちらはコンシーラーと同じモデルさんにお願いしたのですが、テーマに合わせて仕草など可愛く工夫してくださり、美容室のサイネージでも、じっくり見てしまう動画になっていました。コスメブランドとしては、つい目がいってしまう可愛さやシチュエーションはやはり大事で、女性たちのインサイトを捉えた動画メディアならではの訴求ができたと思います。
動画再生数も保存数も平均の2倍 じっくり見たくなる動画ノウハウ
吉田:1本目のコンシーラーは、最近の他のタイアップと比較しても、Instagramの動画の保存数が2倍以上という結果で、動画に対して好感を持ったユーザーが多いと考えています。
ブランドリフト調査でも、商品認知・商品好感度・商品利用意欲全ての項目で高い結果になりました。継続してお取り組みさせていただいた2本目のファンデーションは、Instagramでの再生回数が平均と比較すると251%を達成。動画保存数も平均に比べて400%と非常に良い結果になりました。
季節感を重視した、冬のデートでは乾燥肌でファンデがうまく乗らないというお悩みに対して、「生湿感肌が実現できるコフレドールのファンデーション」を紹介することで、自分の肌に自信を持ってデートを楽しめる訴求がユーザーにマッチしたのではないかと思います。
「KALOS」で制作した動画はFacebookとInstagramとYouTubeで配信していますが、プラットフォームによってユーザー層が異なるため、それぞれタイトルを少し変えています。
ファンデーションは季節感を重視したじっくり見られる動画で訴求。
五十嵐:こうしたSNSごとのユーザーの傾向分析は我々も行っていますが、とても学びがありました。動画内のタイトルからテロップ文言まで一つひとつ丁寧に検討して頂けるので、継続してお任せしています。
さらに、美容室などリアルなサイネージとの連携もされていて、リーチできるユーザーが広がっているので、今後も動画を活用したコミュニケーションを続けていきたいですね。
小渕:「KALOS」では、25歳~34歳の女性たちにどんなお悩みがあるのか、SNSを通じてインサイトの深掘りは常に行っています。コメントへの返信や、ストーリーズを活用したヒアリングなど、動画メディアならではの相互的なコミュニケーションをすることで、ユーザーに寄り添ったコンテンツづくりをしています。今後もメディアへの接し方が増えている中で、「KALOS」の様々なタッチポイントを開拓していければと思います。