LINE Ads Platform for Publishersのイベントに吉田が登壇しました。エブリーCEOが語るDELISH KITCHEN成長のカギとこれから

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7月30日に開催されたLINEの新たなアドネットワークサービス「LINE Ads Platform for Publishers」のローンチパーティー。その中で行われたパネルディスカッションに、FiNC Technologies 代表取締役 CTO 南野 充則さんとともに、当社の代表取締役 社長 CEO吉田 大成が登壇しました。今回のディスカッションでは、エブリー創業当初から立ち上げてきたDELISH KITCHEN急成長のカギと、これからのグロース戦略について語りました。


吉田 大成

代表取締役 社長 CEO 

2005年、ヤフー株式会社に入社。 2006年10月、グリー株式会社に入社し、2010年12月から同社執行役員、 2012年9月 同社 取締役執行役員常務に就任し、日本事業全体を統括。 2015年9月 株式会社エブリーを創業。 2017年、Forbesによる「Forbes JAPAN 日本の起業家ランキング2018 ライジングスターアワード」第1位を受賞。「DELISH KITCHEN」がApp Store・Google Play共に「BEST OF 2017」に選ばれたこの年、エブリーとしても「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017 企業部門 300名未満の部」を受賞。また、「2018日本アドバタイザーズ協会 2017 Webグランプリ Web人賞」受賞。




いかにしてDELISH KITCHENは誕生したのか

ーまずは、エブリーとDELISH KITCHENの現状について。

吉田:2015年の9月に会社を創業しまして、まもなく4周年を迎えます。今4つのメディアとライブコマースのプラットフォームを運営しています。その中でも、エブリー創業期から運営しているDELISH KITCHENは、「だれでも簡単においしく作れる」というコンセプトを元にサービスを運営しています。利用者数は現在2,000万人以上、月間の動画再生数は6億回を突破しました。

ーサービス開始から3年弱、これだけの急激なグロースを遂げたティッピングポイントはどこにあったのでしょうか。吉田の口から語られたのは、徹底してユーザーの課題に寄り添う姿勢でした。

吉田:DELISH KITCHENのアプリは、2016年12月にローンチしています。それまでは、SNSを中心に動画コンテンツの配信を行なっていました。アプリ化に踏み切る前から、すでに圧倒的大手のレシピメディアがありましたので、主婦の方の料理に関する悩み、課題は何なのかをとことん突き詰めていきました。すると、料理に関する悩みは「作り方がわからない」ではなく、「考えるのが面倒」、「毎日何を作るのか迷う」、「献立のレパートリーが少ない」といった「考える」作業に関することが多いということがわかってきます。

なので、DELISH KITCHENのアプリでは「レシピに出会える」ということを一番念頭において運営してきました。ユーザーに入力させない、検索させないということをゴールに、レコメンドの精度を上げていく、そういうアプリ設計をしています。

これがやはりユーザーの方に受け入れられたポイントだったと思います。大々的にプロモーションを打っても、圧倒的な継続率を初期から獲得できたのは大きかったですね。

次なるフェーズは、ユーザーとのタッチポイントを増やしていくこと

ーしかし、DELISH KITCHENはここで月間の利用回数という壁にぶつかることになります。そこで、どれだけお客様とのタッチポイントを増やせるか、という第2フェーズへ移行していくことになります。

吉田:それが真ん中の「食材を買う」というシーンです。レシピを決めてから買い物にいく方が多いと思われがちですが、実際はお店で決めたり、買い物途中で決めるという方が半数近くにのぼります。スーパーでおすすめの食材を見たときに、その場でその食材と連動したレシピをレコメンドできるようにしていかなければ、お客様の課題は解決できません。

そこで、いま一番強化しているのが流通・小売との連携です。提携しているスーパーに店頭デジタルサイネージを置いてもらったり、アプリの中でもデジタルクーポンやWEBチラシの配信を行うなどして買い物をトータルサポートする、ということを目指しています。これによって、レシピ・献立を見つけたいというタイミングではないところでも接点を作ることができます。

吉田:もう一つ強化しているポイントが、3つ目の「レシピを調べる」というシーンです。例えば、「家にある食材で作れること」などは、若い方もご年配の方も課題には思っている。その中でも、若い世代の方たちには短時間で作れることが重視される傾向にあり、少し上の世代になってくると今度は栄養バランスが重視されていたりします。レシピに求めることはどんどん変わってくるんですよね。僕たちは、全てのコンテンツを社内で制作しているので、調理時間や栄養素表示なども全てのレシピに反映させていき、レシピ検索にも付加価値をつけています。

ユーザーの体験を壊さない、広告収益ソリューションの活用

ーDELISH KITCHENでは、広告収益を軸にしたビジネスモデルを展開しています。メーカー商材を使ったタイアップ広告の他に、ディスプレイ広告も運用しています。当初からファイブのアドネットワークサービスを通じてアプリのマネタイズを推進してきました。

吉田:限られた社内リソースを最適化させるためにも、アドネットワークを活用したマネタイズに取り組んでいます。DELISH KITCHENは食に関するコンテンツですから、料理と相性の良くない商材や、食欲を損なわせる恐れのあるクリエイティブは絶対にNG。こうした掲載可否基準の調整や広告枠位置の調整など、ファイブさんとは創業当時からディスカッションを重ね、柔軟にご対応頂いてきました。

吉田:メディアとしての信頼を高めていくためにも、インフィードに流れる広告のクリエイティブチェックは今後も厳しくチェックしていただきたいと思っています。ユーザーの体験を壊さないようにしながらマネタイズしていくというのは意外と難しいことです。信頼できるアドネットワークがあるからこそ、安定的な収益をあげることができる。エブリーではその収益をさまざまな成長事業の投資につなげています。

今後もサービスが成長し続けるために、エブリーが大事にしている3つのこと

ー最後に、DELISH KITCHENをはじめサービスが成長していくためのポイントを吉田は次のように語り、このセッションを結びました。

吉田:DELISH KITCHENは、スーパーで購入した食材や冷蔵庫に残っている食材から、ユーザーにより最適化されたレシピレコメンドを実現していくことを目指しています。今後、全国のスーパーとの連携を強化していくことで、今までのレシピ系メディアが成し遂げていない新たな価値を提供していきたいと思っています。

アプリを起点としながらも、オフライン領域の実際の購買データをどう巻き込んで行けるかがポイント。これを実現するために社内では次の3つを重視しています。

1つ目は、「テクノロジー」です。AI、データなど他社が持っていないデータをどれだけ集められるか。オフラインの連携を進めているのはまさにここですね。

2つ目は「UX」。これはアプリを中心としたUXをどう構築できるか。オンラインだけでなく、オフラインの購買行動まで含めたユーザーの行動をどうデザインできるかというところです。

3つ目は、我々の強みである「プロコンテンツ」という部分。ここを大事にしながら、アプリを中心にオンラインオフラインを含めた取り組みを進めていきます。

より多くの方に、「考える・探すからの脱却」と「出会える・知れる」サービスを提供していき、「動画を通じてもっと楽しく、もっと充実した毎日に」というミッションの達成を目指していきたいと思います。

 




一緒に登壇されたFiNCの南野さんからも、やはりデータの取得数を増やす取り組みをされているというお話がありました。ユーザーとのタッチポイントを増やすオフラインとの連携、OMOといった世界観の実現が、これからのオンラインサービスが目指す成長領域となりそうです!

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