4年前、マンションの一室ではじまったDELISH KITCHEN。ゼロから今の状態にしてきた菅原が、先日彼女の母校(洗足学園中学高等学校)で学生たちへ講義を行いました。執行役員として、カンパニー長として、編集長として、DELISH KITCHENの全てを見てきた彼女がどんな学生時代を過ごし、何を考え今に至るのか講演の様子を一部お届けします。 後編では、これからどんな未来を思い描いているのか、DELISH KITCHENが目指す方向性について改めてインタビューします。
菅原 千遥
執行役員 DELISH KITCHEN カンパニー長
2012年慶應義塾大学を卒業後、グリー株式会社に入社。 事業責任者として女性向けネイティブゲームに従事し、その経験を活かし戦略部門にて子会社や投資先会社の事業管理基盤構築を推進。その後、新規事業の立ち上げを主導。 2015年9月、株式会社エブリーを共同創業。2018年に執行役員に就任。
課題解決を通して人に喜んでもらう、その原体験
ー冒頭、運動部の有志が集まって行う集団行動に運動部総部長として挑んだ話をしてくれました。
菅原:中学・高校生時代は、とにかく部活を頑張っていたなという記憶があります。高校生活において大きな経験となったのが、運動部総部長として参加していた集団行動です。私の時はちょうど受験への意識が変わったこともあり、初期の参加メンバーが非常に少なかったんです。毎年、先輩たちが受け継いできたこの集団行動を成功させるためには、もっと参加者を集める必要がありました。
菅原:そこで、全体の構成を変更し、全員で参加するパートの他に少人数でもできるパートをつくりました。これによって一部メンバーの練習時間を削減することができ、参加を諦めていた同級生たちからは、参加できるようになったと喜んでもらえました。さらに、パフォーマンス自体も例年のものとは違う形になったので、見ている人たちにも喜んでもらえてすごく達成感を感じることができました。課題を解決して人に喜んでもらうことってこんなに嬉しいんだと、私の中では大きな経験となりました。
この活動を通して、なんとなく将来やりたいことがイメージできてきたんです。人がマイナスに思っていることや、うまくいかないと感じていることをプラスの感情にに変えていく、毎日の暮らしが少し楽しくなったり豊かになったりするサービス・事業を作っていきたいなと思うようになりました。
『DELISH KITCHEN』を通して実現したいこと
ーでは、いかにして『DELISH KITCHEN』は生まれたのか。課題解決を通して、人が喜ぶサービス、事業づくりを目指す菅原の隠された思いとは
菅原:みなさん普段お母さんから「今日何食べたい?」と聞かれてなんて答えますか?「なんでもいいよ」って答えること多くないですか?すると、”あんまり好きじゃないけどよく出る料理”が出てくるなんてことないでしょうか。
(生徒たち:「あるあるー!笑」)
菅原:これってすごくもったいないことだと思っています。お母さん達はせっかくだったら喜んでもらえるものを作りたいなと思って聞いてくれているはずなのに、この状態は料理を作る人も食べる人もハッピーではないですよね。もし、いつもと違うカラフルな料理が食卓に並んだら、「これ美味しいね」「どうやって作ったの?」って新しい会話が生まれ、食べるみなさんはもちろん、作っているお母さんも嬉しいはずです。
運動部有志の経験から人の課題を解決することってすごく楽しいこと・嬉しいことだと学びました。今、私が『DELISH KITCHEN』を通して実現したいと思っているのは、同じように「何を作ったらいいかわからない」と悩んでいる主婦の方々の課題を解決したいということです。
ーとはいえ、レシピサービスがたくさんある中で、課題の解決方法として「動画」を選んだのには訳がありました。
菅原:昔に比べると、今は働きながら家事をしている方が多いと思います。すると、「今日は何を作ろうか」と考えるシーンが、冷蔵庫の前ではなくて、帰りの電車やバスの中など移動中に変化していきます。冷蔵庫の前でレシピを決めるなら、余っている食材を見ながらインターネットで検索すればお料理ができると思いますが、今は通勤途中にレシピを考えてスーパーで購入するものを決めるという人が多いのではないかと思われます。
レシピの伝え方も、ライフスタイルの変化に合わせて変わっていくべきです。移動中にスマートフォンでレシピを提案してくれて、自宅近くのスーパーの情報なども一度にチェックできると便利だなと思い、今の形に辿り着きました。
料理を提案する人も、作る人も、食べる人もハッピーにする
ー「人の課題を解決すること」の楽しさに加えて、自分がやったことで人々の生活に少しでも影響が与えられるということが、すごく今仕事をしているやりがいになっていると話す菅原。実際にあったエピソードも教えてくれました。
菅原:サービスを通してユーザーであるお客さんからだけでなく、社内のメンバーからもさまざまなフィードバックをもらうことがあります。まず、若い主婦の方からサービス宛にいただいたメッセージです。
“ 二人の幼い子供を働きながら育てているため、家では購入したお惣菜を与えることが日常でした。ある日子供が骨折をしてしまい、栄養が不足していたのではないかととても落ち込み、反省しました。
そんな時に『DELISH KITCHEN』に出会ったんです。今まであまり料理をしたことがなかった私でも動画を見たら作ることができ、子供たちが「おいしい!おいしい!」と喜んで食べてくれるので、今では料理が好きになり、毎日家族のために作っています。 ”
菅原:こういった実際にサービスが人々の生活の役に立っていると実感できるのはとても嬉しいですし、やりがいを感じます。SNSを通して、直接届けてもらえることもすごく楽しくて、これはやはり自分でサービスをやっているからこそなのかなと思っています。
菅原:もう一つ、『DELISH KITCHEN』では、社内にいる管理栄養士や調理師など資格を持った食のプロが全てのレシピを企画・監修しています。管理栄養士などの多くは、病院食や介護食、学校の給食を作ったりしていらっしゃいますが、食の世界を目指される方の中には「おいしいご飯をつくるのが好き、楽しい」という気持ちで料理研究家などを目指している方たちも大勢います。でも、一般の人々の暮らしの中で美味しいレシピを提供したり、クリエイティブな料理を提案するといった仕事ができる人はすごくわずか。
そこに『DELISH KITCHEN』という新しいサービスを作ったことによって、家庭の食卓にレシピを提案できる場が生まれました。今社内で働いてくれているメンバーからは「やりたいことが実現できているし、今後の新しい夢もできました」といったことを言われることが多いです。なかなか実現することが難しい仕事を作れていて、それを楽しんでやってくれている、さらにその先にいるユーザーさんも料理を楽しんでくれている、という状態が作れたことは私の中でもすごく励みになっています。
ー最後、菅原が考えるやりたいことを見つけるため、実現するための材料について言及し、「自分で考える」「正しいと思ったことはやり通す」「情報を集めて想像してみる」「好きなことは言い続ける」の4つのポリシーを語って締め括りました。
ー今回、学生向けに事業以外のお話しをするのは初めてでいろいろと悩んだという菅原に、講演のあと、生徒さんたちからビッシリ感想の書かれたお手紙を頂戴しました!
菅原:普段なかなかフィードバックをもらうことがないですし、素直な反応をもらえてすごく嬉しかったです。『DELISH KITCHEN』を使って、お母さんと夕飯の会話をしたり一緒に作ったりしたというエピソードもあって感動しましたし、部活などリーダーという役割を担っている子たちには、今やっていることに向き合うヒントになってくれたら本当に嬉しいなと思います。
前編は、講演内容から『DELISH KITCHEN』が提供したいユーザー価値についてお伝えしてきました。
後編では、2019年を振り返ると共に、『DELISH KITCHEN』が現在取り組んでいる事業や、さらにこれからバージョンアップさせて提供していきたい価値は何なのか、菅原に改めてインタビューした内容をお届けします。
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