『DELISH KITCHEN』の全レシピは、「食」のプロである管理栄養士などの資格を持ったスタッフの手で作られたものです。ユーザーの皆さまにも、お伝えしていくことでサービスの安心感や信頼性を高めていきたいという思いから、レシピ考案者の情報が公開されるようになりました。サービスのコアとも言えるレシピを支えている彼らの思いとはーー『DELISH KITCHEN』 フードスタイリストシリーズ」として紐解いていきます。
栗田 真大
DELISH KITCHENカンパニー ユーザーグロース部 メディア企画グループ
『DELISH KITCHEN』で唯一の男性フードスタイリスト。調理・製菓学校卒業後、都内のブーランジェリーに就職し製パン技術を学び腕を磨いた後、集団給食(保育園)などを経験。2015年頃からは料理動画に携わり、2018年6月にエブリー入社。『DELISH KITCHEN』では「食べた人が笑顔になれる美味しいパン」を目指して日々パンレシピを考案中。
家庭で作れる身近なレシピを提供したい
ー栗田さんは調理師、パンコーディネーター、フードアナリストの資格をお持ちと伺いましたが、それらを取得するきっかけは何だったんですか?
栗田:両親が共働きだったこともあり、小学生の頃くらいから自分で料理をするようになったんです。最初はカップ麺に卵や野菜を入れるだけだったのですが、調味料を使って簡単な料理をするようになり、だんだんと本格的に料理も作れるようになっていきました。小学校を卒業する頃にはパン屋さんになることが夢になっていましたね。その後、調理・製菓専門学校に進学し、在学中にパンの奥深さと魅力に更に惹かれ、パンコーディネーターの資格も取得しました。
ーそして卒業後はブーランジェリーへ就職されたんですね。
栗田:はい。菌を使い発酵させて膨らむパンは、生き物だと思っています。専門学校時代の恩師にも、「作る」より「育てる」感覚で作るように教わりました。作る過程では叩いたりムチを与えながら成長を見守ります。まるで子どものようでどんどん愛着が湧いてくるんですよね。僕は仕事でパンを作るようになって7年以上経ちますが、まだ100%のものは作れたことはないと思っています。多分この先も作れることはないんじゃないですかね。でもそこが面白くてとても奥が深いんですよ。
またこの時期に、フードアナリストの資格も取得しました。フードアナリストは調理師免許やパンコーディネーターの資格とは違い、「作る」側ではなく「食べる」側の資格です。もともと食べることも好きでしたし、ブーランジェリーで働いていた頃は、研究のために色々なお店のパンを食べ回っていたので取得しました。
ーその後、なぜ『DELISH KITCHEN』へ?
栗田:ブーランジェリーの他にも、集団給食の会社など様々な経験をしました。当時からSNS上ではよくレシピ動画を目にしていて、「誰でも簡単においしく作れるレシピ」というコンセプトに惹かれ、『DELISH KITCHEN』に興味を持ちました。家庭で作れる身近な料理を提案したいという思いと、過去の自分のパン作りの経験も生かして多様なレシピを作っていきたいというどちらの思いも叶えらえる場所だなと感じて、応募しました。
ありきたりではなく、簡単だけどひと工夫したレシピを
ー『DELISH KITCHEN』での業務内容を教えてください!
栗田:レシピの開発だけでなく、ユーザーからいただく失敗のお問い合わせの検証なども行なっています。例えば、電子レンジを使ったレシピは家庭によってワット数が違うため、指定の時間で設定しても加熱しすぎてしまったり、出来上がりに差ができてしまうことがあるんです。そのようなお問い合わせがきた場合、こちらでもそのレシピで実際に調理して、なぜ失敗してしまったのかを検証します。ユーザーが調理する際に「どこかの手順が抜けてしまっていないか」、こちらの説明が「どこか不足していないか」、どうすればより「作りやすく、失敗しにくい」レシピになるのかを考えます。その後、カスタマーエクスペリエンスの部門に検証結果とポイントを伝え、ユーザーとやりとりしてもらいます。レシピ検証の中でも、お菓子のレシピは分量や加熱時間など特に繊細なのでより慎重に行っています。
ー『DELISH KITCHEN』のフードスタイリストとして、大切にしていることはどんなことですか?
栗田:『DELISH KITCHEN』は”動画”メディアです。静止画で見るよりも動きがあって視覚的に伝わりやすいので、手や腕も綺麗に手入れしていますし、美味しそうと思ってもらえるようひとつひとつの動きに気を付けています。また、『DELISH KITCHEN』のフードスタイリストは毎日違う料理を作る仕事なので、一つのことに集中してやっていきたい、という人よりもいろいろなことに興味を持ってできる方が向いているかなと思います。私自身も、撮影やスタイリングの技術は『DELISH KITCHEN』に入ってからスタイリストの先生から学び、実践を通して自分の世界がどんどん広がるなと実感しています。
栗田:個人的にはフリーでも活動していて、企業CMの料理やHPに掲載するレシピを数種類開発するなどしていました。『DELISH KITCHEN』でのレシピ開発と社外の活動、どちらも共通して普段から心がけていることは、ありきたりなレシピではなくひと工夫したレシピを考案することです。「作ってみたい!やってみたい!」と思ってもらえるレシピ提案を心がけています。
ーパン作りに精通されている栗田さんが『DELISH KITCHEN』で考案したおすすめのレシピはありますか?ぜひ教えてください!
栗田:チーズフォカッチャのレシピは手に入れやすい素材で作れるのでおすすめです。女性のユーザーさんからとても好評ですね。フードスタイリストのメンバーからも美味しいとお墨付き頂いた自信作です!程よい塩気もあるので、料理と合わせていただいても美味しくいただけますし、朝ごはんやお酒のおつまみにもオススメの一品ですね。
栗田:ティーブレッドは、紅茶の茶葉を使用しているのでとても良い香りが楽しめる、ひと手間加えてできるお洒落なパンです。こちらも朝食や、ちょっとした軽食にぴったりな一品です。
人が作った温かみのある料理を食べてもらいたい
ー今後、チャレンジしていきたいことはありますか?
栗田:最近、『DELISH KITCHEN』のフードスタイリストの情報が公開されていますが、誰が作ったのかがわかると、顔が見える安心感を感じられますよね。完全食やロボットが作る料理、冷凍食品なども進化していますが、これからも人の手で作られた温かみのあるご飯を多くの人に食べてもらいたいです。そのためにも、性別問わず少しでも多くの人に料理を楽しんでもらえるレシピを発信していきたいです。
『DELISH KITCHEN』は動画なのでわかりやすく、料理ができる人や女性はもちろんなのですが、初心者の男性でも気軽に料理を始められるのではないでしょうか。例えば、「男メシ」のコーナーなども設けて、食べ盛りの学生向けの料理や、簡単にお腹に溜まる料理を紹介するなどして、男性からも注目されるサービスにしていきたいです。
また、『DELISH KITCHEN』だけでなくさまざまなメディアに積極的に出ていくとで、料理の楽しさや面白さを広く伝えていきたいとも思っています。男の私がメディアに出て”家庭料理”を作ることで、今まで料理をしたことがない男性にも料理に親しみを持ってもらえるのではないかなと考えています。少しでも男性の「キッチン進出」をサポートできたら嬉しいですね。