DELISH KITCHENの全レシピは、「食」のプロである管理栄養士などの資格を持ったスタッフの手で作られたものです。ユーザーの皆さまにも、お伝えしていくことでサービスの安心感や信頼性を高めていきたいという思いから、レシピ考案者の情報が公開されるようになりました。サービスのコアとも言えるレシピを支えている彼女たちの思いとはーー「DELISH KITCHEN フードスタイリストシリーズ」として紐解いていきます。
HIROKA
DELISH KITCHENカンパニー OMO事業部 リテールソリューションズ第1グループ
管理栄養士、調理師、栄養教諭、ベジタリアンアドバイザー。
京都の調理師専門学校にて京料理を学ぶ。同校、クッキングスクールにて5年勤務。その後、都内15店舗以上展開する青果店にて、飲食部門の立ち上げ、弁当や惣菜の考案を担当。DELISH KITCHENでは小売様向けに食材の旬を意識したレシピ活用や売り場提案を担当。 また、個人では副菜料理に特化し、日本のバランスの良い食事方法や器の楽しみ方について海外へと発信している。
1日に何回も触れ合う”食事”に関わる仕事がしたい
ーHIROKAさんは様々な資格をお持ちとお聞きしましたが、どんな資格をお持ちなんですか?
HIROKA:はい。管理栄養士、調理師、栄養教諭、ベジタリアンアドバイザーの資格を所有しています。管理栄養士の資格は、幼い頃の夢が「ケーキ屋さん」だったこともあり、総合的に「食」にまつわる勉強をするために、管理栄養士の資格が取得できる大学に進学しました。在学中に栄養教諭の資格を取得できる制度があり、元々人に教えることも好きだったので合わせて取得しました。そして栄養学を学んでいくうちに、ケーキ屋さんよりも1日に何回も触れ合う”食事”に関わる仕事をしたいと思うようになり、大学卒業後は調理師専門学校へ就職し、講師の方の助手や同校のクッキングスクールで勤務していました。その時に調理師の免許も取得しました。
ベジタリアンアドバイザーの資格を取得したのは、ある日みたテレビ番組がきっかけで、世界には環境汚染・動物虐待・健康への影響を配慮し、肉や動物に関する製品を口にしないという食事があると知ったことが影響しています。しかし、出汁文化の強い日本では、なかなか完全菜食をするのは難しいと言われています。そんな日本料理の中でも、「小鉢料理」と呼ばれるほうれん草の胡麻和えや、きんぴらごぼうなどは、工夫すれば簡単に、菜食主義でも食べられる環境にも良い料理だと気付きました。食に対して様々な考えを持つ人たちが、同じ目線で一緒に食べられる料理が「小鉢料理」にあるという思いのもと、海外の方にはもちろんですが日本国内にも気軽に食べられる「小鉢料理」を普及していく活動をしています。
ーたくさんの資格をお持ちですが、何がきっかけで『DELISH KITCHEN』へ?
HIROKA:調理師専門学校で勤務した後、青果店に転職し、飲食部門の立ち上げやお弁当・惣菜の考案など、旬の食材や売り場作りなどに携わってきました。前職までは、1to1の料理教室から講演会やレストラン運営、飲食店の新規立ち上げまで様々な経験をさせていただいていましたが、この経験や知識をもっと多くの人に伝えるにはどうすれば良いかを考えた時に、”マスに伝える” ことが大事なのではないかと思ったんです。そこで、SNSでも人気の『DELISH KITCHEN』であればより多くの人々に伝えることができるのではと考えました。レシピ動画サービスはいくつかありましたが、その中でも「誰でも簡単においしく作れるレシピ」というコンセプトにとても共感して、『DELISH KITCHEN』に決めました。
様々なメンバーと連携し、流通・小売の課題を解決
ーHIROKAさんは他のフードスタイリストのみなさんと所属が違うと思いますが、『DELISH KITCHEN』では具体的にどんな業務をされていますか?
HIROKA:入社当時はレシピ動画の企画と撮影を行っていましたが、リテール関連事業が立ち上がった時に異動しました。スーパーなどの店頭に並べるレシピカードのコンテンツチェックから、最適なレシピの提案や実際の売り場提案などを行っています。現在『DELISH KITCHEN』には3万本以上レシピがあるためそのまま小売にデータを渡しても、数あるレシピのなかから何をおすすめとして選んでいいのか分からなくなってしまいます。そのため私たちが、季節や場所などを考慮し、そのスーパーのお客様にとってどういった提案が最適なのかをご提案しています。こういった提案では、『DELISH KITCHEN』でレシピ考案をしてきただけでなく、青果店で勤務していた経験と知見も生かすことができているかなと思います。
また、最近ではこうした提案だけでなく、実際にリアルイベントの講師として店頭に立つなど、トータルサポートを掲げているリテールソリューションプログラムに関わる様々な業務に携わっています。
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ーリテールソリューションズ第1グループに異動されてからの業務は、それまでのフードスタイリストの業務と働き方は大きく変わりしましたか?
HIROKA:そうですね。一番大きく変わったのは、他業種のメンバーと仕事をする機会が増えたことですかね。営業から開発、そして私のような「食」の専門家が1つのチームに揃っています。他業種のメンバーの考えを知り、お互いを理解して、それぞれの立場としてどうすれば良いのかという多角的な意見を聞いてプロジェクトを進められるので面白いです。
現在のチーム体制になってから、コンサルティングプランなどのサービスにも携わり、レシピや料理以外にも自分が持っている専門性を役立てられる場があることを改めて知ることができました。枠にとらわれない柔軟な考えが身につき、実践もできる環境だと思います。
ー『DELISH KITCHEN』のフードスタイリストだからこそできることはどんなことだと思いますか?
HIROKA:『DELISH KITCHEN』の仕事は、マスに伝える影響力のある仕事だと思っています。その影響力の大きさから、発信する内容にはとても気をつけていますね。専門家の先生やテレビにも多数ご出演されている料理研究家の副編集長からのご指導など、多方面の意見を知ることができ、自分の考えを広げることができると思います。発信する責任感と、トレンドを作るワクワク感は『DELISH KITCHEN』だからこそできることなのではないでしょうか。
また、『DELISH KITCHEN』の特徴の一つとして、料理の工程にもテロップが入っていることが挙げられます。早回しなどで工程を排除することなく、時代に流されずブレずにやってきた愚直さや真面目さが『DELISH KITCHEN』ならではの良さだと思います。
学んだことを『DELISH KITCHEN』にも個人の活動にも還元し、みんなの課題を解決できるフードスタイリストになりたい
ー個人でも小鉢料理・副菜に特化した活動をされているとのことですが、どんなことをしていらっしゃるんですか?
HIROKA:はい。個人で「小鉢を通して世界中の食事を豊かにしたい」という思いで、小鉢料理や副菜について発信する活動をしています。セミナーで小鉢料理を通じた健康的な食事、環境保護、伝統文化についてお話しをすることが多いですね。
大げさな言い方かもしれませんが、私は「小鉢料理は世界を救う」と思っています。食の課題である「健康・環境保護・文化の伝承」この3つ全てを解決してくれる誰でもできるアクションとして、「野菜の小鉢を一つ足そうよ!」というメッセージを伝えています。忙しい日々の中、小鉢を1品足すのは難しいとは思いますが、そこはレシピの力や発信の力で、一人でも多くの人が食を通じて「健康・環境・文化」について考え、実践する人が増えてくれれば嬉しいですね。例えばこのマヨなしポテトサラダは、マヨネーズの代わりに豆乳ヨーグルトを使ったビーガンポテトサラダです。たくさんの野菜を摂れる一品。フライドオニオンを入れると、コクや旨味がアップしてより美味しくなるのでおすすめです。
>他、HIROKAさんが考案したおすすめレシピはこちらのページから
自分自身も野菜をバランスよく取っているつもりですが、太ったなと感じることがありました。調理法や調味料の量によっては、野菜の本当の効能を食べることができていないのではないかと思います。「あと少し野菜やタンパク質が取りたい」という時など、メインの料理だけでは補いきれない栄養を、副菜で負荷なくフォローできます。「美味しさだけではない作り方」を心がけて、且つバランスの良い簡単なレシピを伝えていきたいです。
ー今後、チャレンジしていきたいことはありますか?
HIROKA:『DELISH KITCHEN』では、リテールソリューションズの事業に携わらせていただく中で、現場では人手が足りないだけでなく様々な悩みを抱えていると実感しています。私がフードスタイリストとしてやっていることをコンテンツ化するなどして同じように動ける人を増やし、より多くの流通・小売の課題を解決していけるようにできたらなと思っています。リテールソリューションズで学んだ、他業種と連携してスピード感を持ってサービスを進めることを実践に落としていきたいです。
個人としては、小鉢の良さをもっと多くの人へ広めるために勉強中なので、どんなことでもチャレンジしたいと思っています。やりたいことも勉強したいことも、幅広くて深くて時間が足りないですね!