SDGs、D&Iなどの観点から多様な働き方が必要とされる中、エブリーでは育児休業休暇(以下、育休)取得率が男性女性ともに100%に達しています。今年9月、執行役員でソリューション本部長を務める鵜飼が、2度目の育休を取得しました。実際の育休期間中の生活についてだけでなく、今後の仕事との両立や、育休についての考えなど、詳しくお話しいただきました!
執行役員 ソリューション本部長
鵜飼 勇人
2006年慶應義塾大学卒業後、トーマツ コンサルティング株式会社(現:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社。
2008年1月よりアクセンチュア株式会社に入社、金融業界向けのマーケティング事業に従事。2011年4月、グリー株式会社へ入社し、プラットフォームの事業戦略、グローバル展開を担う。2013年4月よりリブセンスに入社、キャリア事業部長として転職サイトなどの運営を主導。2017年7月、株式会社エブリーに入社、経営企画としてリテールソリューション事業の立ち上げに従事。2019年執行役員就任。
ー普段はどんなお仕事をされていますか?
鵜飼:ソリューション本部長として、小売やメーカーなどのtoB向け事業の推進を担当しています。ソリューション本部には、『DELISH KITCHEN』、『MAMADAYS』、『TIMELINE』の3つのメディアに対応するマーケティングソリューションズ事業部と、メディア横断の営業組織であるチャネルセールス部、そしてリテールソリューションズ事業部が存在しています。中でも『DELISH KITCHEN』を中心にして、各事業部の部長とコミュニケーションを取り、足元の事業進捗から中長期の展開方針の検討まで幅広く行っています。
ー現在お子さん方はおいくつなんですか?
鵜飼:第1子が今年4歳になる年で、今回生まれた第2子は0歳2ヶ月です。前回は第1子の出産の際、私がエブリーへ入社して約半年後の2018年に、1週間の育休を取得しています。今回は今年9月から約1ヶ月間、2度目の育休を取得させていただきました。
ーとても可愛いですね・・・!1ヶ月間の育休からお帰りなさい!
2度目の育休を取得された鵜飼さんですが、男性の育休取得についてどう思われますか?
鵜飼:まず、パートナーと「育休が取得できない生活は想像できなかったね」と話しています。 私は2度の育休ともそれぞれ出産日に合わせて取得しましたが、生まれたばかりの子どもと触れ合ったり、その間のパートナーの精神的な負担に少しでも寄り添えるのはこの時期だけなので、間違いなくとても貴重な体験です。
出産に立ち会って湧き上がってきた思い
ーそれではエブリーで育休を取得された体験について詳しく教えてください。お1人目のお子さんが生まれるより以前から、「子どもが生まれたら育休を取得しよう」と考えていらっしゃったんでしょうか?
鵜飼:1人目が生まれる前の前職時代は、育休を自分が取得するのかどうか具体的に考えたことはなかったです。今振り返ると自分でも自己中心的な考え方だったなと思うのですが、以前は優先度としてまずは仕事が1番で、家庭は2の次、と考えてしまっていました。そういった仕事へのスタンスを周りにも話していたので、周囲の人からも「鵜飼は仕事が1番の人だよね」と言われていましたね。
ーそこからエブリーへ転職後、どうして育休を取得しようと思われたんですか?
鵜飼:1度目の育休取得時は入社後まもない頃で引き続き仕事中心に考えていたこともあり、正直「ちょっとパートナーと赤ちゃんの顔を見にいこう」くらいの気持ちだったかもしれません。子どもが実際に生まれるまでは、自分は父親になると頭では理解していましたが、実感としてはまだ薄かったように思います。
ですが、出産に立ち会ったとき”自分の子なんだな”という感覚が自然と湧いてきて。徐々に子どもが笑顔を見せたり、コミュニケーションが取れるようになっていくにつれて父親としての責任感も一層強くなり、より主体的に育児に関わるマインドができた気がします。後から振り返ってみて、このことが自分にとってとても重要な経験だったなと感じたので、第2子を授かった時も、また出産に立ち会いたいと考えました。
ー最初にご出産に立ち会われた際の経験が大きかったんですね。前回は取得期間が1週間でしたが、今回はなぜ1ヶ月間の育休を取得しようと思われたんですか。
鵜飼:そうですね。今回はコロナ禍により、里帰り出産をしないことを選んだことがきっかけです。夫婦ともに親族から出産後のサポートを得るのが難しい状況でしたので、退院してからの母体ダメージへしっかりケアできる環境を作りたいと思っていました。もちろん、主体的に育児に関わりたいという思いもあり、母子の外出が可能となる1ヶ月検診を基準に、育休期間は1ヶ月間取得することにしました。
ー社長の大成さんやメンバーに育休を取得されることを伝えた際、社内からの反応はいかがでしたか?
鵜飼:前回も今回も「おめでとう」という祝福の言葉以外、特別大きな反応は無かったですね(笑)。子どもが生まれるのなら育休は取得するよね、という自然な雰囲気でした。業務の引き継ぎについては、各部長と社長の大成さんがカバーしていただけるとおっしゃってくださり、心強かったです。
目に見えづらい育児の負担を再認識
ー育休取得までの流れを教えてください。
鵜飼:出産予定日を基準に、約半年前から育休を取得したいという旨の話をして、引継ぎや労務手続きなど具体的な話は1ヶ月前から進めていきました。
ー注力事業で責任あるポジションを担われていらっしゃいますが、今回の育休取得にあたって、心配事はありましたか?
鵜飼:7月に大きく組織編成が変わった後だったこともあり、各部の各事業部の意思決定や、組織が滞りなく進むかという不安はありました。実際には、重要なイベントも乗り越えてくれて、安心して育児や家事に専念することができました。各部長陣がオーナーシップを持って事業を推進していってくれたことと、社長の大成さん、コーポレート本部のヘルプに感謝しています。
ー育休中の生活はいかがでしたか。
鵜飼:今回の第2子の育休期間中、授乳以外の家事育児をほぼ全て自分が担当する中で、生活の中での家事の負担を自分ごととして実感することができました。子どもが居ると何をするにも倍以上の時間がかかるという物理的な制約だけでなく、ぐずってスムーズに行動できないときの苛立ちなど精神的負担も。第1子誕生の際に取得した1週間の育休では気付けなかった家事労働の負担の大きさ、第2子誕生時の第1子のケアの大変さや重要性など、想像だけではなかなか実感できなかったことを身に染みて知ることができました。
ー育休中、特に印象的だったことはどんなことですか?
鵜飼:あまりイヤイヤ期にも手のかからなかった、3歳の上の子のいわゆる「赤ちゃん返り」です。下の子の抱っこを阻止して自分を抱っこしてもらおうとしてきたり、ずっと前に卒業してるオムツをあえて履いて赤ちゃんごっこを延々要求したり。”振り向いて欲しい”という主張を強く感じました。
下の子が家族に加わり環境が変わることで、そういったことが起こるということを話には聞いていましたし、本人にとっては急にライバルが現れたんだからその気持ちは当然だよね、と頭では理解できるんです。でも、あまりにひどい時にはこちらが発狂しそうになることもあります。
ーリアルなお話ですね。反対に、育児をする中で成長を実感したこと、喜びを感じたエピソードはありますか?
鵜飼:そんな中でも、きょうだいで関わりを持たせているうちに、上の子が「お兄ちゃんだから」と、下の子のお世話をしてあげようとしてくれるようになりました。たとえば、下の子のお風呂は積極的にお手伝いしてくれますね。たまに顔にお湯をかけちゃうこともあるんですが(笑)。他にも服を着せてあげたり、布団をかけてあげたり、何でもやってあげようとしています。上の子の成長を感じて嬉しいとともに、子どもなりの葛藤を抱えつつ独り立ちしようとする様子は親としては少し切なさを感じるところもあります。
幅広い選択肢を持つためにも夫婦の協力が不可欠
ー育休を取得してみて、現在どのように感じていますか?
鵜飼:子どもが生まれる以前は仕事が1番の優先事項だったのが、今は家庭や育児を大前提とした人生設計を考えています。その変化のきっかけは、子どもと触れ合う中で、育児の大変さを実感したことでした。今後もさらに自分が家事・育児にかける意識・時間を増やす必要があると感じています。
また、仕事も含めてより幅広い選択肢を持つためにも家族で協力しあっていく事が不可欠だと思います。私のパートナーは現在育休中ですが、落ち着いたら復職を目指しています。自分が子どもを見ている間に、パートナーが今後のキャリアについて考えたり、そのための勉強をしたりする余裕を作れたらと思っています。
ー仕事へ復帰された後についての不安はありましたか?
鵜飼:これはお住まいの自治体にもよるんですが、私たちの場合は、夫婦のいずれかが育休をとっていると保育園で保育時間制限がかかるんです。そのため子どもを預ける時間の延長ができず、夕方5時にはお迎えに行く必要があるので、仕事しながらできるのか?という点は懸念していました。
ー時間的な制約への不安があったんですね。今は解消されていますか?
鵜飼:あらかじめスケジュール上でお迎えの時間を確保させていただいています。エブリーでは、みなさん特に意識はしてないかもしれませんが、育児も含めそういった事情を理解してくださる雰囲気があるので、これまで特に困ったことはないですね。育児関連での突発的なトラブル対処でミーティング等の時間に出られなかったり、出社できなかったりすることもありますが、その都度周りにサポートいただいていて感謝しています。環境的にも、フレックス制やコロナ禍のリモートワーク併用など、育児に限らず多様な働き方に対応しやすい環境が整ってきていると感じています。
ー復帰後の仕事内容は何をされていますか?
鵜飼:育休以前と同じく、ソリューション本部長として事業を推進していくポジションに復帰しています。育休期間中に各事業部長・副部長がオーナーシップを持って動いてくれていたこともあり、足元の事業運営は引き続き任せつつより中長期の仕事に自分のリソースを割けるようになっています。これは育休を取得したことでむしろポジティブな出来事でしたね。
ユーザーの課題に深く寄り添い、解決していける事業を
ー今後もずっと、育児は続きますよね。仕事と育児の両立について、どのように考えていらっしゃいますか?
鵜飼:そうですね。自分の仕事のパフォーマンスは絶対落としたくないし、でも育休前よりも自分が育児や家事に割く意識や時間を増やさないと家庭が回っていかないという感覚があります。今回の育休期間中に仕事との両立方法を考えるつもりでしたが、今でも明確な答えは出ず、正直しんどいと思うこともたくさんあります。ただ、匙を投げずに試行錯誤を続けることが大事だと思うので、今後も育児をしながら仕事のパフォーマンスを上げていくことを目指していきたいです。
ーエブリーでは現在男女ともに育休取得率が100%*ですが、今後も育休を取りやすい環境を作っていくにはどういったことが必要だと思いますか?
鵜飼:引き続き、育休制度そのものの周知のための発信はもちろんですが、育休を取得しやすい雰囲気の醸成が必要だと考えています。幸い、エブリーは出産・育児の当事者になる年齢層のメンバーが多く、育児世帯向けのメディアを運営していることも手伝い、経営層やマネジメント層含め子育てやライフスタイルの多様性への理解度は高いと思います。
厚生労働省の調査によると、女性の育休取得期間の9割近くが6か月以上となっている一方で、男性の育休取得期間は5日未満が56.9%と約6割を占めている*ことも話題になっています。エブリーでも、ニーズに応じた形ではありますが、取得期間が数日の方もいらっしゃいます。今後形だけの育休にならないようにしていくためには、取得しやすい雰囲気の醸成に加え、男性も育児に参加することを前提とした組織設計が必要です。育休や育児により一部のメンバーへの負担が集中してしまったり、混乱が起きたりしない組織設計をしていくことは、効率的な組織設計にもつながります。
エブリーでは、全社的にさまざまなツールで事業部ごとにナレッジやフロー、タスクなどが共有されており、チームで動くことで業務の属人化を解消していくことに日頃から取り組んでいます。今後もそういった環境づくりを含めて全体で進めていく必要があると感じています。
- 2021年1月1日から2021年9月30日までの期間に出産した女性と配偶者が出産した男性が対象で、2021年11月15日までに育児休業を開始した割合を示しています。※対象は正・契・アルバイトです。
- 2019年7月3日 厚生労働省「男性の育児休業の取得状況と取得促進のための取組について」より
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ー育休を取得された経験を経て、今後事業やサービスをどのようにしていきたいと思われますか?
鵜飼:ユーザが抱える課題への寄り添い方を深く考え、より不便を解決できる事業を作っていきたいです。「食にまつわる全ての課題を解決する」というのが『DELISH KITCHEN』の使命だと思っています。育児や家事を日常的に行う中で毎日の献立を考えることの大変さや、子どもを連れてスーパーに買い物へ行く難しさなど、『DELISH KITCHEN』が解決すべきユーザーの課題感が自分ごととして実感できました。こういった負担や課題を、1つ1つ解決していきたいと思います。
また、親としては育児をすること自体が大変で、悩みも尽きませんし課題ばかりを感じる毎日です。私の場合は近所や保育園での育児コミュニティが少なく他のご家庭でも同じ感覚なのか、どうやって乗り越えているのかなど、周囲とシェアし解決策を見つけにくい状況です。エブリーの『MAMADAYS』はそういった悩みに寄り添い、不便を解決していけるサービスになっていくといいなと思います。
ー最後に、エブリーへの入社を考えている方や、今後育休を取得しようと考えている方へのメッセージをお願いします!
鵜飼:男性の方には出産への立ち会いはぜひオススメします!取得期間に関しては、個人によって感覚は様々だと思いますが、パートナーと話していると3ヶ月くらいはあると嬉しいようだったので、1ヶ月から3ヶ月間以上の期間の育休取得をおすすめしたいと思います。
私は、育休を取得したことで産後のパートナーを支えるだけでなく、子どもと触れ合う時間を通して父親としてのマインドセットや理解がより深まりました。子育ては大変ですが、子どもの笑顔にはその疲れが全部吹き飛ぶくらいのパワーがありますし、成長を見逃すことなく家族で一緒に喜ぶことができます。
また仕事面では、組織的にも自身のキャリアにおいてもスタンスやタスク整理ができたタイミングでもありました。育休取得にあたりサポートしてくださった周囲の方にはとても感謝しています。
今回は男性の育休についてフォーカスをあてていますが、あくまでより良い人生を送るための選択肢のうちのひとつです。男性/女性や家族の形態にかかわらず、どんな方にとっても働きやすく、育児にも仕事にも打ち込める環境を作っていきたいです。
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