〜自宅で安心を守る!災害時の食品家庭内備蓄と備え方〜農林水産省 小宮様による社内講演会を実施しました。

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日本に住む人々にとって避けられない、自然災害。物流機能が停止した場合、スーパーマーケットやコンビニの店頭で食品が手に入りにくくなります。また、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止した場合、日常生活とはかけ離れた環境で生活しなければなりません。そんな時、心身ともに満たしてくれるのが、温かく栄養バランスの整った食事です。災害が頻発している我が国で安心して過ごすには、いかに食品の家庭備蓄ができているかが重要になります。

しかし、災害発生時に多くの人が思い描く「避難所」や「炊き出し」のような支援のイメージは、人口密集都市では現実的ではありません。特に東京のような人口密集地では、避難所に集まることが困難であり、家が無事なら「自宅待機」を求められるケースがほとんどです。

一方で、人口が比較的少ない地域では、避難所の混雑は都市部ほど深刻ではないものの、物流が途絶えた際に食料や生活必需品が届きにくくなるリスクがあります。特に郊外や山間部では、店舗数自体が少ないため、数日間は外部からの支援が受けられない可能性も考えられます。そのため、都市部・地方を問わず、日常的に食品を備蓄し、定期的に消費しながら入れ替えていく「ローリングストック」の習慣を身につけることが重要です。

では、日頃から無理なく食品備蓄をしていくためにはどうするべきでしょうか。農林水産省の小宮様をお迎えし、お話いただきました。

農林水産省 大臣官房政策課 国民運動グループ長 小宮 恵理子 様

なぜ食品備蓄が必要なのか?

小宮:過去の経験では、災害発生からライフライン復旧まで1週間以上を要するケースが多くみられます。また、災害支援物資が3日以上到着しないことや、物流機能の停止によって、1週間はスーパーマーケットやコンビニなどで食品が手に入らないことが想定されます。

実際に東日本大震災でも、当時スーパーで食料調達できたのは発災後数日経ってから。食料の家庭備蓄を行っていた家庭は少なく、発災日の夜は自宅にあった食料や近所の炊き出しで食事した方がほとんどでした。

避難所に地方公共団体の食料備蓄があったのは全体の3割程度。自宅から避難所に食料を持参した人は2割程度で、発災日に避難所に届いた食料のほとんどは他区住民の協力による炊き出しのおにぎりでした。

そのため、最低3日〜1週間分×人数分の食品を家庭に備蓄することが望ましいといわれています。

ローリングストックとは?

小宮:「ローリングストック」とは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法です。普段の買い物の範囲ででき、買い置きのスペースも少し増やすだけで済みます。

備蓄食品の選び方

小宮:備蓄食品には、大きく分けて「非常食」と「日常食品」の2種類があります。非常食は、主に災害時に使用するもの。一方、日常食品は日常から使用し、かつ災害時にも使用するものと言えます。非常食だけでなく、日常食品もローリングストックでバランスよく備えることが重要です。

また、日頃から栄養バランスや使い勝手を考えて各家庭に合った食品を選ぶことが大切です。特に災害直後は、炭水化物ばかりになりがち。たんぱく質をとるために缶詰を備蓄しておくと良いでしょう。また普段と異なり慣れない環境では、便秘や口内炎など体調不良を起こしやすいため、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとるための野菜も常備しておけると良いですね。

小宮:ライフラインの停止に備えて、「水」も必ずストックしておきましょう。一人当たり1日3リットル以上必要とされています。日常的に飲んで買い足しておくのが良いでしょう。

また、熱源を確保すれば災害時の食の選択肢が大幅に広がります。カセットコンロだけでなく、カセットボンベや鍋などもお忘れなく!

発災当日の備え

小宮:一人当たり「水1リットル+調理不要な非常食3食」を用意してください。

また電気・ガス・水道といったライフラインが停止する可能性が高く、しばらくは余震で火が使えないことも想定されるでしょう。1日分程度の非常食を、非常時用持出袋等に入れて準備しておくことが重要です。

家庭備蓄の普及に向けて

小宮:農林水産省では、食料安全保障の観点から、家庭備蓄の普及に向けて、省内外での展示や防災イベントへの参画、各種ガイド、リーフレット、動画の作成・普及、政府広報の活用等を積極的に行っています。

農水省HP内の「家庭備蓄ポータル」では、一般・要配慮者向けの食品ストックガイドや、実践事例なども公開しています。ぜひご覧ください。

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/

また、農林水産省は食と農とのつながりの深化に着目した国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を展開しています。食と環境を支える農林水産業・農山漁村への国民の理解醸成を図るための情報発信等に官民協働で取り組んでいます。エブリーはニッポンフードシフトの推進パートナーとして活動しています。

ニッポンフードシフト公式HP: https://nippon-food-shift.maff.go.jp/



講演実施後のアンケートでは、多くの学びの声が寄せられました。

・普段から3日程度の備蓄をしているつもりでしたが、水の量が自分の想定より何倍も必要だったことが印象に残りました。家に帰って改善します。

・身近なテーマで業務・プライベート双方に役立つ内容でした。日頃の備えに活用したいと思います。

・一般消費者に身近なプラットフォームとなるデリッシュキッチンでも、農水省様と連携し、ローリングストックをはじめ様々な啓蒙発信を一緒にしていけたらと思いました。

エブリーはこれからも、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」のパーパス実現に向けて、日々の数ある場面と、そこに伴う気持ちを想像し、人が毎日を歩む、その道のりのパートナーとして尽力してまいります。

▼エブリーの目指す世界

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