エンジニアのプレゼンス向上や年齢・性別関係なく挑戦できる風土の醸成を目的に活動してきた「活性化委員会」が、2024年2月を持って「DevEnableグループ」として正式に組織化しました。DevEnableグループの役割や活動内容、今後取り組んでいきたいことまで聞きました!
村上 将也
開発本部 DELISH KITCHEN開発部 副部長
大学在学中にインターンとして『DELISH KITCHEN』のアプリ開発に携わる。その後新卒としてエブリーに入社し、2020年3月から『MAMADAYS(現:トモニテ)』のWebサービス開発を担当。2021年から開発本部 MAMADAYS開発部(現:トモニテ開発部) バックエンドグループマネージャーとして全体設計などに従事したのち、2022年副部長に就任。2023年からはDELISH KITCHEN開発部のマネージャーを経て、11月から副部長に就任。
池 友太
開発本部 DELISH KITCHEN開発部 Software Engineer RSグループ
東京大学大学院を休学してWEB系のシステム開発を行う会社に入社し、システム開発の基本を学ぶ。その後、大学院に復学して修了後、新卒でKDDIに入社し、モバイルアプリ開発を担当。2021年9月株式会社エブリーに入社し、Ratail Solutionのバックエンド開発を担当。現在は小売アプリを中心にRetail Hubのプロダクト開発全般に従事。
エンジニア自身も組織も活性化する、DevEnableグループが発足
ーお二人の業務について教えてください!
村上:『DELISH KITCHEN』の開発部副部長として、広告事業を中心に新機能開発や機能改善を行いながら、部の方針決定や各部署の調整業務に携わっています。
DevEnableグループでは、マネージャーとして方針決めについての意思決定や、施策全体・グループ内の調整を行っています。
池:2021年の入社から一貫して、リテール領域を担うバックエンドエンジニアとして、主に小売様向けのプロダクト開発を行っています。その中でもサイネージ関連の開発をしていましたが、現在はネットスーパーのシステムや小売向けのアプリ開発を担当しています。
また、DevEnableグループも兼務し、エンジニアが働きやすい組織づくりに向けて施策を検討、実施しています。
ーDevEnableグループとはどんな組織なのでしょうか。
村上:「社内外から憧れる開発組織へ」をミッションに、エンジニア自身やエンジニア組織がより活性化し、成果を出し続けられる人・組織にすることを目標としています。そのために、開発本部を横断して組織の活性化・成長環境の提供・ナレッジの発信・広報の強化・採用など、さまざまな課題解決を推進している組織です。
ーどのような経緯でDevEnableグループがつくられたのでしょうか。
村上:CTOである今井が、「事業を推進する開発組織になる」ことを掲げてきた甲斐もあり、エブリーのエンジニアは技術だけじゃなく事業を見据えて開発に向き合っています。その反面、相対的に技術的な挑戦よりも事業課題を優先していたり、採用観点でもエブリーの開発部の取り組みを知ってもらうための情報発信などが課題となっていました。
それらの課題に向き合うために生まれたのがDevEnableグループの前身となる、組織活性化委員会です。組織活性化委員会はDeveloper Experienceに興味がある有志で結成され、その名の通り組織の活性化に向けた様々な活動を行ってきました。その活動を通じて、組織内のコミュニケーションが活性化し、開発者同士の繋がりが強くなるなどの成果が見られました。より広い課題に継続的に取り組むことが必要だと感じていたので、2024年2月に正式な組織となりました。
個人の成長、組織活性化を促す3つの活動軸
ーここからは、DevEnableグループの3つの活動軸である①社内活性化、②外部発信・コミュニティ貢献、③採用およびオンボーディングについてお伺いします。
1. 社内活性化
ー社内活性化のための取り組みについて、具体的な内容を教えてください。
村上:取り組みとしては、「TechTalk」「勉強会」「挑戦week」があります。
まず「TechTalk」とは、組織を横断したナレッジ共有、エンジニアの技術的知見の共有、開発部全体でのエンジニアの交流を目的に、月次で開催している社内技術共有の場です。
背景として、エブリーは事業へのコミットを高めるため『DELISH KITCHEN』『トモニテ』『TIMELINE』の3つの事業部に分かれており、普段はそれぞれが別で動いているため、チーム横断でのコミュニケーションが取りづらいという課題がありました。「TechTalk」はこの課題を解決するための取り組みの一つです。
開発組織のナレッジ共有とコミュニケーションを促進する社内イベント「TechTalk」の紹介
「勉強会」は、自分の知見を共有して学び合い、個人的な成長に紐付けるための施策です。職種ごとにチームを作っていて、毎月チーム全員が発表できるよう持ち回りでナレッジシェアを行っています。発表する際には自分もしっかり理解している必要があるので、聞き手だけではなく発表者側の深いインプットにも繋がっています。
また、勉強会はチームに関わらず誰でも参加でき、専門領域外のインプットができます。実施後は録画映像と資料も公開しており、開発部のナレッジとして蓄積されています。
「挑戦week」では、通常業務のロードマップから離れ、技術的なお題に集中し挑戦する1週間を指しています。エンジニアリングを通じて事業成長に貢献するための開発体験向上の目的で実施しています。その期間は可能な限りミーティング等を0にできるよう調整し、導入したらアジリティが上がりそうと思いつつ時間の都合上検証できなかったり、後回しにしてしまっている負債の解消に時間を当てられるようにしています。
ー先日「挑戦week」を実施したと思いますが、どんな内容に「挑戦」したのでしょうか。
村上:まずメンバーから出たテーマからいくつか絞り込み、希望するテーマに集まったメンバーで開発に取り組みました。今回は、CI/CDのパフォーマンス向上、webのパフォーマンス改善、レシピのステップ動画のキャプチャ画像抽出の効率化などに挑戦しました。
今回が4回目の「挑戦week」でしたが、毎回内容の精度・挑戦のレベル感がどんどん上がってきているのと、5日間で出てくるアウトプットが高まってきているのを感じられています。例えば今回のCI/CDのパフォーマンス向上のテーマでは、主要サービスの複数のリポジトリでCI/CDの待ち時間が7-10分ほど削減できており、5日間でここまでできるんだ!という嬉しい驚きがありました。
池:今回は、それぞれの取り組みに対して予め期待するゴールが示されていたことが効果的だったのではと感じています。そのおかげでロードマップを細かく設定することができ、アウトプットが高まったのだと思います。
2. 外部発信・コミュニティ貢献
ー今年は国内カンファレンスへの参加もいくつか予定していますよね。
村上:直近ですと、6月にGo ConferenceとKotlin Festへの参加を予定しています。GoやKotlinは、『DELISH KITCHEN』で初期の頃から採用し長く使っている言語です。だからこそ、その技術コミュニティがより盛り上がるよう貢献したいという思いがあります。
また、カンファレンスに参加しコミュニティに関わることで、社外の方との交流も活性化していきたいですし、そこからメンバーが刺激を受け、成長のきっかけにしたり新たな挑戦に繋がったら嬉しいです。
池:今まで自分自身がこういうカンファレンスなどに積極的に参加してきたわけではありませんでしたが、DevEnableチームとして調べたり過去の資料を見たりすることだけでも刺激をもらえて、自身のモチベーションにも繋がっていると感じています。組織としてカンファレンスなどに参加できるようサポートをすることで、それぞれのメンバー、組織を活性化することができ、ゆくゆくは技術の向上に繋がると考えています。
直近控えているGo Conferenceに関しては、Tech Blogにて詳細をご覧ください!
エブリーは Go Conference 2024 にプラチナGoルドスポンサーとして協賛いたします
※参加予定のカンファレンスに関する最新情報は、エブリーTech Blogまたは開発部のXにてご確認ください。
3. 採用およびオンボーディング
ー今年はエブリー初となる、新卒エンジニアに向けた研修を行いましたよね。研修に至る背景や、研修の目的、内容を教えてください。
池:昨年までの研修ではエンジニアリングに特化した研修は行っておらず、スキル指導は配属後のOJTにお任せするようなオンボーディング体制でした。配属前の技術研修を行なっていないことにより、期待されるマインドやスタンスの理解、専門領域外の自分ごと化、実務における前提知識の学習において、多くの新卒社員が課題感を感じていました。そこで、今年度からオンボーディング体制を強化し、新卒研修を実施することにしました。
研修では、オーナシップを持ってプロダクトの課題を解決に導けるエンジニアへの土台を作ること、そして早期の成長をサポートするために、下記のような構成で研修を実施しました。
池:研修プログラムの詳細はTech blogをご覧ください。
エブリー初のエンジニア新卒研修を開催しました!
さらなる飛躍を目指して
ーDevEnableグループとして、これからどんな課題に取り組んでいきたいと考えていますか。
池:中途社員に対するオンボーディングに関しても検討していきたいですね。情報のキャッチアップがしやすく、よりスムーズにエブリーの組織、業務に入ってもらえる環境が必要だと思っています。まずはそのために障壁となっているものの整理をしていくことが必要で、その上で表面的でなく抜本的な打ち手を考えていきたいです。
たとえば技術選定などの意思決定に関して、過去の経緯がわからずに自分ごと化しにくいことがあれば、意思決定までの流れはもちろん、どうしてその決断に至ったのか、組織としての考え方やカルチャーに関しても解像度が上がるようにドキュメント文化を作っていくようなイメージで、オンボーディングのために開発組織の取り組み方も変えていこうと思っています。
村上:DevEnableグループで施策を実施していく中で感じるのが、私たちの活動は開発組織メンバー全員の協力なしでは成り立たないということです。人を巻き込むのって難しいと思うのですが、私たちがやろうよ!と提案したことに対して、積極的に動き盛り上げてくれる人たちがたくさんいることがとてもありがたいし、この組織だからトライアンドエラーを繰り返しながら活動することができています。いわゆるセカンドペンギンであるメンバーの行動によって、DevEnableの活動が会社の文化へ昇華していくことを実感しています。
これからDevEnableグループとして様々な施策を実行していくと思いますが、この組織、メンバーであれば、目指す姿を叶えられそうだなと感じています。現在実施している施策に関してもまだまだ改善できる部分がたくさんありますが、今後も一つ一つの課題を着実に解決していけるようにDevEnableグループで推進していきたいです。
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