〜デジタル庁が推進する医療DX〜デジタル庁 舟津様による社内講演会を実施しました。

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デジタル庁では、医療費助成・母子保健・予防接種・介護保険等分野の業務について、紙での情報連携にかかる業務負担が多い状況に着目し、関係省庁と連携し、医療費助成、予防接種、母子保健等領域におけるマイナンバーカードを活用したデジタル化の取組を推進しています。
この情報連携の仕組みとして2023年に情報連携機能を有するシステム(Public Medical Hub:PMH)を開発し、希望する自治体向けに医療費助成分野、予防接種・母子保健分野を対象とした先行実施事業を開始しました。
(参考:https://www.digital.go.jp/policies/health/public-medical-hub
エブリーでは、『DELISH KITCHEN』の食事記録や『トモニテ』の育児記録などの膨大なデータ(Personal Health Record:PHR)を、将来的に医療に活用する可能性を考えました。


舟津 謙一 様
デジタル庁 国民向けサービスグループ 参事官補佐

2010年 厚生労働省入省。医政局医事課、労働基準局安全衛生部計画課、保険局国民健康保険課・総務課を経て、大阪府吹田市に出向し健康医療審議監(部長級)に従事した後、2018年に育休を取得。その後、再び厚生労働省において、保険局医療課、年金局事業管理課を経て、現在、デジタル庁 国民向けサービスグループにて、健康・医療・介護分野のデジタル化を推進(主に医療DXの推進)。

三ツ中 菜津美 
執行役員 トモニテカンパニー カンパニー長

立命館大学を卒業後、大手ネット広告代理店に4年半勤務。コスメなどの女性向けブランドのプロジェクトディレクション・企画営業業務に従事。2016年10月にエブリーに入社。DELISH KITCHENの広告営業を担当し、2017年7月からマネージャーとして現場を牽引。2018年6月から産休に入り、出産・育児という自らの経験を生かし2019年4月にMAMADAYS(現 トモニテ)事業部に復職。同年7月よりMAMADAYS事業部長に就任。2023年6月に2人目の育休から復帰し、同年7月にMAMADAYS(現 トモニテ)カンパニー長、執行役員に就任。


マイナンバーカード・マイナポータルの役割

舟津:マイナンバーカードは、対面での本人確認、電子的な本人確認、どちらにも対応できる大変便利なツールです。
電子的な本人確認ができることによって、持ち歩くのが怖いと思っている方もいらっしゃいますが、カードの中に直接プライバシー性の高い個人情報が入っているわけではなく、ICチップを介してデータを取ってくるエントリーキーのような役割を果たしています。また、マイナンバーを利用するには顔写真付き本人確認書類などでの本人確認が必要なため、マイナンバーを見られたからと言って悪用されたり個人情報が盗まれることはありません。是非普段から持ち歩き活用していただきたいです。


舟津:マイナポータルは、「マイナンバーカードをキーとした、わたしの暮らしと行政との入口」として、オンライン申請や、行政機関等が保有する自分の情報の閲覧・取得、お知らせの通知などのサービスを提供しています。各行政機関に情報を取りに行くための窓口のような役割で、特に医療分野に力を入れており、マイナポータルでレセプトベースの薬剤情報、健診情報、診療情報などの情報を閲覧・取得ができるようになっています。

2023年1月には電子処方箋情報の閲覧機能をリリースし、 マイナポータルを活用して、患者が自身の電子処方箋情報・調剤情報を閲覧できるようになりました。調剤結果が即時に反映されるので、遅れのない正確な調剤情報の把握が可能になります。さらに、副作用歴、アレルギー情報についても記録が可能だったり、医療機関から登録された電子処方箋を管理し、薬局からの調剤結果を電子処方箋に反映することができるようになるなど、進化を続けています。


舟津:また、マイナポータルで提供している機能を、行政機関だけではなく企業等の民間組織に対してもAPIとして提供しています。医療に関する情報は、国が公的なデータベースを構築していく方向で検討が進んでおり、民間企業ではそういった情報を使いながら、どういったインターフェースで使っていただくか、付加的な機能を提供していくかといった観点から価値を発揮していただくことを期待しています。
今後、医療DXの推進により共有される医療情報の拡大に応じてAPIの連携項目を拡充するとともに、PHR事業者のニーズに応じて、マイナポータルAPIの機能改善を進めていく予定です。






医療DXで、医療の質と効率を上げていく

舟津:医療DXとは、保健・医療・介護の各段階において発生する情報やデータを、クラウドなどの全体最適された基盤を活用して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図ることで、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えることと定義できます。

まずは、今後の医療DXの基盤となる「全国医療情報プラットフォーム」の創設、電子カルテ情報の標準化、診療報酬改定DXを進めていきます。「全国医療情報プラットフォーム」は、現在すでに存在する各種データベースやこれから開発を進める情報連携システムを、それぞれ連携可能な形で医療機関や自治体とつなぐことで、それぞれの立場で必要な情報を見に行けるようなプラットフォームを作るイメージです。


出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34874.html

舟津:マイナンバーカードを保険証として使用できるマイナ保険証は、①医療情報を個人ごとに把握し、本人の情報を確実に提供することが可能なこと、② 患者・利用者の同意を確実にかつ電子的に得ることが可能なこと、③全国の医療機関・薬局が安全に常時接続しているという3つの理由で、分散していた様々な情報について利活用を進めやすくする医療DXの基盤となります。

マイナ保険証によるメリットは様々ありますが、特に診療する際に病歴や服用中の薬を知っておくべき救急医療において、初期対応がスムーズに進むというメリットがみなさんにとってもわかりやすいのではないでしょうか。国民の皆さんにより良い医療を受けていただけるよう、電子カルテ情報の閲覧をはじめ、これからもメリットは増えていく予定です。


舟津:自治体が実施する医療費助成、予防接種、母子保健分野における情報を医療機関・薬局に連携して、マイナンバーカードによりそれらの情報を活用する取組について、令和5年度から、希望する自治体・医療機関・薬局において先行的に着手しています。

たとえば、紙を前提とした運用が多い医療費助成や予防接種・母子保健において、マイナンバーカードを介すことで手続きが簡略化されたり、これまでの診察履歴、健診結果などをマイナポータル上で確認することができます。今後、令和8年度以降の全国展開を目指して、システムの機能を拡充したり、参加自治体・医療機関を徐々に拡大しています。

また、情報連携による医療の質の向上のため、政策的に電子カルテの導入を推進しておりますが、電子カルテはメーカー間での互換性がなく情報連携が難しいことや、中小規模の病院・診療所では電子カルテの導入が進んでいないことに課題があります。そこで、必要最小限の基本機能を備えた「標準型電子カルテ」を国が提供できるようそのα版(試行版)の開発を厚生労働省と連携しつつデジタル庁において進めています。その上で、全国医療情報プラットフォームにつながり情報の共有が可能なものであり、かつ、民間サービス(システム)との組み合わせが可能な電子カルテの構築を目指しています。

医療DXの推進によって、各所が連携しやすく、マイナンバーカード1つで皆さんの暮らしがより便利に安心できるよう、これからも取り組みを進めてまいります。










エブリーのデータ資産が、社会の架け橋になる

三ツ中:『トモニテ』は、これまで向き合ってきた「ママ」「家族」から、今後はさらにつながりを「社会」へと拡大させ、ファーストパーティデータとテクノロジーを掛け合わせたソリューションで、家族、行政、まち、事業者が「ともに手をとる」子育てプラットフォームを構築していきたいと考えています。


三ツ中:子育てをする上では、自治体、医療機関、保育施設など、社会とのつながりが不可欠ですが、連携しなければいけないステークホルダーが多岐に渡るにも関わらず、情報が集約されていないことが大きな負担の1つとなっています。

デジタル庁様が取り組んでいらっしゃる母子手帳のデジタル化やID連携などは、エブリーの持つテクノロジーを駆使することで子育ての負担が軽減できる可能性があります。そしてそこで得られるデータをユーザー、社会に還元していくことで、日本の抱える社会課題の解決に貢献していきたいです。





エブリーはこれからも、「明るい変化の積み重なる暮らしを、誰にでも。」のパーパス実現に向けて、日々の数ある場面と、そこに伴う気持ちを想像し、人が毎日を歩む、その道のりのパートナーとして尽力していきます。

▼エブリーの目指す世界
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